悪露
分娩が終わると膣より月経のような出血がみられます。
これが悪露(おろ)といわれるものです。
悪露は、胎盤・卵膜の剥離で生じた子宮内や産道などの創傷からの分泌物で血液、リンパ液、粘液、脱落した組織や細胞などが含まれています。
悪露の全量は約500~1000gで、その70%は産褥4日間に排出されます。
悪露の変化
悪露の性状は産褥経過に伴い、赤色悪露→褐色悪露→黄色悪露→白色悪露に変化します。
- 【赤色悪露】
- 分娩直後から産褥2~3日は主に血液成分でアルカリ性で赤色を呈し、凝血は混じりません。
- 【褐色悪露】
- 血液成分が少なくなり白血球が増加するため褐色を呈し、産褥3~4日から1~2週間程度続きます。
- 【黄色悪露】
- 赤血球成分が減少し、白血球が増加するため黄色からクリーム色を呈する。産褥2週間から産褥3~4週間続きます。
- 【白色悪露】
- 産褥3~4週より黄色悪露の量が減り、色調も薄く透明な分泌物となり、産褥5~6週間で消失します。
悪露の異常
悪露の量や持続期間は個人差が多く、子宮収縮が良好な場合は短期間で消失します。
赤色悪露が2週間以上持続する場合は、胎盤や卵膜の子宮内に残留、悪露の子宮内滞留などにより子宮復古不全が疑われます。
また、悪露の量が少なく発熱を伴う場合や腹部の圧痛、悪露の悪臭や腐敗臭がある場合は感染が疑われます。
悪露に凝血が混じっている場合、子宮収縮の状態を診察し、収縮が悪い場合は胎盤や卵膜などが子宮内に残留している可能性があります。
悪露の色や量は子宮の回復の目安になります。
今まで以上に動いたり、授乳のときなどに後陣痛が強くなり、一時的に量が増えることはありますが、以下の症状があるときは注意が必要です。
- 流れ出るような感じが続くとき。
- 今までより赤みが強くなったとき。
- 血液などの大きなかたまりが出たとき
- 痛みが強くなったとき。
以上のような症状があればすぐに医師に相談してください。
退院後も悪露の赤味が強くなったり、量が増えたり、後陣痛が強い場合や褐色の悪露が1ヶ月以上も続いたり、いやな臭いがあったり、微熱がある場合は早めに受診しましょう。
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