妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠・出産・新生児用語・『し』

『し』で始まる妊娠・出産・新生児に関する医学用語、専門用語、略語を解説。

子癇

妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起こし、てんかんや2次性痙攣が否定されるものをいい、発作の時期により妊娠子癇、分娩子癇、産褥子癇にわけることができます。

弛緩法

胎リラックス法ともいいます。分娩時の不安、緊張に対して意識的に全身の筋肉から力を抜き、緊張を取り除き、痛みを和らげる方法で、妊娠中からトレーニングを行っておきます。
これによって、交感神経の興奮を軽減し、副交感神経の高めることができます。

弛緩出血

分娩第3期あるいは胎盤娩出直後に子宮筋の収縮不全より、止血機序が障害されて起こる異常出血をいいます。原因としては、多胎、羊水過多、巨大児などによる子宮壁の過伸展、微弱陣痛、急速分娩、遷延分娩などによる子宮筋の疲労、虚弱体質、心疾患、貧血など全身性の原因、そのほかに頻産婦、膀胱や直腸の充満、子宮奇形、筋腫などがあります。

子宮外妊娠

受精卵が子宮腔以外の部位に着床する妊娠を子宮外妊娠といい、主に卵管、卵巣、腹膜に着床します。
そのうち卵管妊娠が最も多く、約95%を占めます。

子宮奇形

子宮の形が本来と異なるものを子宮奇形といい、妊娠における子宮奇形の合併症頻度は0.2~2%であり、産科的に問題となるものは中隔子宮、双角子宮、重複子宮、単角子宮があります。

子宮筋腫

子宮筋腫は30歳以上の女性の4~5人に1人の割合で存在する良性腫瘍で、発生部位により子宮体部筋腫、子宮頚部筋腫に分類されます。

子宮頸管

子宮頸管とは内子宮口と外子宮口との間で、非妊時には約3㎝ありますが妊娠が進むにつれて軟らかく伸びやすくなり、分娩の進行とともに子宮頚管は短くなりします。

子宮頸管縫縮術

何らかの原因で子宮頚管が軟らかく、伸展しやすい状態を子宮頚管無力症といい、流・早産が起こりやすくなります。
子宮頚管をテープや糸で縫い縮めて流・早産を予防する方法を頚管縫縮術といいます。
手術は、一般的には妊娠12~16週ころに行われますが、子宮頚管縫縮術を受けても、流早産を防ぐことができない場合もあります。

子宮頸管無力症

子宮の出口にあたる子宮頚管が何らかの原因によってやわらかくなり、子宮口が開いてしまう疾患をいいます。
子宮収縮や陣痛を自覚することなく、流産や早産に至ることがあります。
子宮頚管無力症の場合は、シロッカー術やマクドナルド術などの子宮頚管縫縮術がおこなわれます。

子宮口

子宮の下端、膣につながる部分のことをいいます。

子宮口の開大

分娩が進み胎児が下降してくると子宮口がだんだんと開いていき、10cm開大が子宮口全開大といいます。

子宮収縮剤

薬剤により子宮収縮を促し、陣痛をつけ分娩を開始、促進させるものです。薬剤により過強陣痛、胎児切迫仮死があらわれることがあるため慎重に選択する必要があります。

子宮底長

仰向けに横になり、両膝を伸ばした状態で恥骨結合上縁から子宮底最高部までの距離をお腹のカーブに沿って計測した長さをいいます。

子宮内胎児発育遅延(IUGR)

何らかの原因によって胎児の発育が阻害されて遅延や停止が生じ、在胎週数に相当しない発育である場合をいいます。
子宮内胎児発遅延で誕生した赤ちゃんのことを子宮内発育遅延児と呼びます。

子宮内反

子宮底部がめくれ返り、子宮口から膣に出てきた状態をいいます。
原因としては、癒着胎盤、頻産婦、子宮腫瘍、過短臍帯、臍帯巻絡、胎盤圧出、臍帯過度牽引、胎盤用手剥離などの産科操作によるものがあります。

子宮内膜

子宮内膜とは、子宮をおおっている粘膜組織のことです。子宮内膜は、月経周期の排卵時期に肥厚して、受精卵が着床しやすい状態になり、妊娠が成立しないと内膜がきれいに剥がれ落ちて出血します。

子宮破裂

分娩時、まれに妊娠後期に起こる子宮壁の裂傷を総称して子宮破裂といいます。原因としては、既往帝王切開、子宮筋腫摘出術の既往、不適切な陣痛促進剤の使用、自然破裂などがあります。

子宮復古不全

分娩後、妊娠中に肥大した子宮はもとの大きさに戻りますが、回復過程が遅れた状態を子宮復古不全いいます。原因としては子宮内の胎盤片や卵膜片などの遺残によることが多く、正常産褥日数に比して子宮が大きく柔軟に触知され、子宮底が高く、子宮頚管の閉鎖も遅延します。血性悪露が長く続き、量も減少しにくいなどの症状がみられます。

死産

児の生死による分類において、妊娠期間にかかわりなく胎児が死亡して娩出したものをいいます。
妊娠12週以降は死産届が必要となります。衛生統計上では妊娠12週以後の死産の出生を死産といいます。

死産届

死産の届出に関する規定第4条より、死産の届出は死産後7日以内に医師または助産師の死産証書または死胎検案書を添えて、届出人の所在地または死産があった場所の市町村(区)長に届け出なければなりません。

自然分娩

陣痛促進剤などの薬剤や器具を使用ぜずに自然の娩出で自然産道から娩出するものをいいます。一般的には自然に陣痛が来るのをまって産道を通る経膣分娩のことをいいます。

児頭の応形機能

児頭を構成する各骨は固く結合していないのため、胎児が産道を通過するさい、周囲から圧迫を受けると胎児の頭の骨は互いに密着し重なり、児頭は先進する方向へ細長くなり、周囲を短縮するように変形し、産道内通過が容易となります。この児頭の骨が重なり合うことを骨重といい、児頭の変形しうる機能を応形機能といいます。

児童虐待防止法

親または親に代わる保護者等子どもを実際に監護・保護する者から、子どもに対して継続的、反復的に加えられた不適切な行為を虐待といいます。
いくら親が、子どもをかわいいと思い、子どものことを思って行うことであっても、それが子どもにとって有害な行為であれば、それは虐待なのです。

児頭骨盤不均衡

分娩時、胎児が通過する骨産道である骨盤の広がりに比べ、胎児の頭の大きさが大きくつりあいがとれない状態をいいます。
母親が低身長であったり、骨盤が狭い場合、肥満などの場合、また妊娠糖尿病などで胎児が大きい場合などに起こりやすく、妊婦健診において観察が行われ、レントゲン検査がおこなわれその後の分娩法が検討されます。

自発呼吸

子宮内の羊水中で生活していた胎児は、出生を境にして自分で呼吸しなければなりません。この自分で呼吸することをいいます。

若年初産婦

明確な定義はありませんが、一般的に19歳以下の初産婦さんのことをいいます。

射精

精巣(睾丸)つくられた精子が男性性器から排出されることをいいます。

習慣流産

妊娠22週未満の流産を3回以上繰り返した場合をいいます。

手根管症候群

妊娠による全身的な潜在浮腫の一環として手根管の靭帯が腫脹して内部の正中神経が圧迫され手のしびれや手が握れないなどの症状がみられます。

絨毛

受精卵は子宮内膜に着床すると外側に絨毛と呼ばれる無数の突起を形成します。
妊娠が継続すると胎盤となり、胎児は絨毛を通して母体から栄養をもらいます。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫は胎児を包んでいる卵膜と子宮の壁の間に血液がたまっている状態をいいます。

出生証明書

出生届と出生証明書は一枚の用紙になっています。母子健康手帳に出産の状態を記入してもらい一緒に届けます。出生届が受理されると、母子健康手帳1ページの出生届出済証明の欄に証明がされます。

出生率

人口1000人に対して、1年間にどのくらいの子どもが産まれたかを表す指標。
15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数を合計特殊出生率といいます。

出生育児一時金

戸籍法第第101条に、被保険者が出産したときは出産育児一時金として、政令で定める金額を支給するとされています。

出生手当金

戸籍法第第102条により、被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金として政令で定める金額を支給する

出生祝い金

一部の市区町村で行っている制度ですが、出産の時に子供の誕生を祝福し、子供の健やかな成長を願うと言う意味で、養育している方に支給すると言う制度です。

出生届

戸籍法第49条により、出生の届出は、出生後14日以内に(国外で出生のあった場合は3ヶ月以内)に市町村(区)長に届けなければなりません。

出生前診断

出生前診断とは、羊水穿刺や超音波検査などによって、生まれる前に赤ちゃんの病気や奇形の有無を診断することを言います。
出生前診断の検査方法のうち、非侵襲的な(お母さんやお腹の赤ちゃんにとって安全な)検査方法としては、超音波検査やMRIなどがあります。また、お母さんの血液で、赤ちゃんが病気をもっている確率を調べる母体血清マーカー検査などがあります。お母さんやお腹の赤ちゃんに(低い確率ですが)危険を伴う侵襲的な検査法としては、胎盤の絨毛組織を採取して調べる絨毛検査、お腹に針を刺して羊水を採って調べる羊水検査、赤ちゃんから直接、血液を採って調べる胎児血検査などがあります。

受精卵

受精卵とは、精子と卵子が1つになった接合体のことです。卵管膨大部で接合体になった受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら子宮内膜での着床を目指します。 

受動喫煙

受動喫煙とは、たばこを吸わない人が、本人の意思とは関係なく他人のたばこの煙を吸わされることです。たばこの煙には本人が吸う「主流煙」とたばこの先からでる煙の「副流煙」があります。
たばこの有害物質は「副流煙」により多く含まれていて、受動喫煙は喫煙者と同じように有害物質を吸い込んでしまう結果になります。
赤ちゃんがタバコの影響を受けると、低出生体重児やSIDS(乳幼児突然死症候群)の危険性が高まります。

常位胎盤早期剥離

妊娠後半期に子宮体部の正常位置に付着している胎盤が妊娠中または分娩中の胎児が娩出前に胎盤が剥離することをいい、妊娠高血圧症候群以外出は外傷や絨毛羊膜炎でみられます。胎盤の剥離の位置、胎盤の付着部位、子宮口との位置関係により外出血がある場合とない場合があります。

情動調律

大人が楽しそうな高い声で赤ちゃんに話しかけると、赤ちゃんは目をかがやかせリズミカルにキックしたり、手を動かしたりすることがあります。お互いの情緒を共有しあうときに起こる現象です。

皮真珠

生まれてすぐの赤ちゃんの歯ぐきに直径2~3㎜の真珠のような白いふくらみが見えることがあります。歯と間違えることもありますがこれは上皮真珠と呼ばれる脂肪や死んだ細胞がかたまったもの。そのままにしておいても、自然に取れてしまいます。
上皮真珠とは違って、魔歯とよばれ、生まれたときにすでに歯の生えはじめている赤ちゃんもいます。

小乳頭

乳頭が小さく、乳頭の直径が5㎜以下のものを一般的にさします。

静脈瘤

静脈瘤とは、血液の流れが滞り、血管が拡張して瘤のようになってしまうことをいいます。妊娠すると子宮の増大に伴って骨盤およびその周囲の血管の圧迫が起こり、下半身の血管に血液の停滞や下肢からの血液の戻りが減少することによっておこります。
さらに、妊娠によって増加したプロゲステロンの作用により静脈の血管壁の緊張低下がおこりやすくなります。

初期嘔吐

出生直後よりみられる嘔吐で、吐物は羊水様、粘液あるいはコーヒー残渣様で量は少ない。嘔吐の回数は1日2~3回程度で、嘔吐のほかに症状はみられません。
窒息などの観察をおこなうが、特に治療の必要はなく、短時間で自然に消失します。

初期体温下降

出生直後は37.5~38℃あるのですが、体表からの熱の喪失が大きく、1~2時間で35℃台に下降します。これを初期体温下降といいます。

褥婦

分娩が終了し、妊娠・分娩に伴う母体の生理的変化が非妊時の状態に回復するまでの期間を産褥期といい、その期間は6~8週間です。その期間にある婦人を褥婦といいます。

助産師

助産師とは厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子。

初産婦

初めて分娩する婦人のことをいいます。

手掌把握反射

指の手のひらを刺激すると、指を屈曲させて強く握りしめる反射行動で、生後4か月頃に消失します。

初乳

産褥2~3日の間における黄色あるいは半透明の乳汁を初乳といい、それ以後の乳汁と比べてたんぱく質を多く含んでいます。
そのなかでもラクトアルブミン、ラクトグロブリンが多く含まれています。
そのほか、初乳中には免疫グロブリンが多く含まれています。

自律神経

自律神経とは、各臓器の付随運動(自分の意思とは関係なく働くこと)を維持し、体の恒常状態を保つ役割を果たしています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は緊急避難向きの作用で生態防御反応と考えられています。一方、副交感神経作用は平穏向きで、体のエネルギーを保存、維持するように働きます。
お互いに拮抗しながら生体の恒常性を調節、維持しています。

シルバーマンスコア

シルバーマンにより開発された、新生児呼吸窮迫の程度を判定するリトラクションスコア。2点以上は呼吸障害を示し、点数が大きいほど重症です。

脂漏性湿疹

脂漏性湿疹は、乳児湿疹の一種で、頭皮にある皮脂腺から分泌される油脂分とフケがいっしょになって固まり、黄色いかさぶたができる症状をいいます。
頭皮だけでなく、ひたいやまゆ毛、鼻のまわり、あごなどにもできます。

シロッカー手術

子宮頸管縫縮術の1つで、子宮頚管に横切開を加え、内子宮口の位置できんちゃくの口を閉めるように子宮頚部を縫縮する方法です。

シロップ剤

薬の原液に蒸留水や薬の成分の入ってないただのシロップを加え、分けやすい分量にしてあります。冷蔵庫での保存が原則です。
シロップ剤の飲ませ方は、薬剤が底に沈殿していますからよく振り、容器のスポイトやスプーンで飲ませます。

シュレーダーー徴候

胎盤の剥離徴候のひとつで、胎児娩出後ほぼ臍高にあった子宮底がやや上昇し右傾し、子宮下部は膨らんで柔らかくなります。

人工分娩

娩出方法の分類において、薬剤、理学的刺激、手術などの人工的な介入を受けて分娩したものをいいます。

進行流産

妊娠22週未満の妊娠で、妊卵の一部または全部が子宮壁から剥がれた状態で、すでに流産が進行しており、これを阻止することは不可能です。

新生児

生後28日までの乳児を新生児とよび、子宮内ですべてを母体に依存していた生活から子宮外での生活への移行の時期にあります。

新生児仮死

胎内生活から胎外生活への適応障害で出生時における呼吸循環不全を主徴として、これによって生じる中枢神経障害、代謝障害などをきたす症候群をいいます。

新生児期

WHO(世界保健機関)は、新生児期とは生後28日未満の時期をよび、早期と後期に分けられます。
早期新生児期とは日齢7日未満、後期新生児期とは、日齢7日以降日齢27日までの時期をいいます。

新生児月経

母親から移行したエストロゲンの影響で、生後7日間頃に女児の膣部より性器出血がみられ、これを新生児月経といいます。

新生児循環

出生後、胎児循環から大人と同じ成人循環に移行する過程です。

新生児聴覚スクリーニング

新生児の聴性脳幹反応(ABR)検査によって早期に難聴を発見し、早期に治療、訓練を行うことで発語への影響を軽減することができます。

陣痛

分娩時の反復する子宮収縮をいいます。広い意味では妊娠中の子宮収縮を含む場合もあります。陣痛は子宮体筋の収縮そのものを指し、痛みを伴うことが絶対条件ではありません。

陣痛周期

陣痛の発作開始から次の発作開始までをいい、子宮収縮が極度に達する時期を極期、子宮収縮がしだいに弱まって間欠期に移行する時期を減退期といいます。

陣痛誘発

経膣分娩を目的として、薬物投与や器械的刺激によって本来自然に発来する陣痛を人為的に誘発または促進することをいいます。

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