妊娠・出産・新生児用語・『か』
『か』で始まる妊娠・出産・新生児に関する医学用語、専門用語、略語を解説。
外陰
女性の外陰は、恥丘・大陰唇・小陰唇・陰核・腟前庭・前庭球・バルトリン腺・会陰等からなります。
外回転術
妊娠後期に行われる骨盤位矯正術で母体腹壁上から用手的に胎児の胎位を変え、分娩に有利になるよう矯正するものです。
母子の安全がモニタリングでき、緊急手術が可能なことが必要で多胎妊娠、羊水過多、性器出血、胎児心音異常では禁忌です。
化学的流産【ケミカル・アボーション】
妊娠反応は陽性となったが子宮内に胎嚢が認められず、月経様の出血をみる状態いいます。月経様出血が予定月経日前後であるため妊娠したことに気づかず妊娠が終了するケースもあります。
過期産
分娩の時期による分類において、妊娠42週以降の分娩のことをいいます。
過強陣痛
子宮収縮が異常に強く、その持続時間が異常に長いものをいいます。原因としては子宮収縮剤の乱用、狭骨盤、軟産道強靭、胎位・胎勢の異常などがあります。
過期妊娠
分娩予定日を2週間以上過ぎ、妊娠42週以降をいいます。
過期妊娠による妊婦、胎児への影響、原因、機序などははまだわかっていません。
胎盤の機能が低下し、胎児の状態が悪くなることがあるため、妊娠41週頃より胎盤機能の検査や胎児心拍モニタリングのチャックを行いその後の分娩についての方針が決定されます。
過呼吸症候群
胎過呼吸により、血中CO2分圧低下、呼吸性アシドーシスを生じ、脳血管の収縮、末梢神経や筋緊張の興奮性が高まり、テタニー様けいれんや異常知覚を生じやすくなります。症状としては、呼吸困難、窒息感、頻脈、胸痛、四肢の硬直、振戦、痺れ間などがみられます。神経状態としては、不安、緊張がみられ、倦怠感、疲労感などの全身症状なども現れるます。対処法としては、口をビニール袋などで覆いゆっくり呼吸をおこなうことで血中のCO2分圧が上昇し、症状が軽減します。
過少月経
月経の出血量が異常に少ないものをいい、普通20～30㎖以下の出血量のものをいいます。
成熟した女性の場合には、ストレスやダイエットなどによってホルモンバランスが乱れ、無排卵性の過少月経がおこっていることがあります。
家族計画
子どもをいつ産むのかは、そのカップルの考え方、経済状態、経産婦の場合は、分娩からの回復状態、母乳栄養の実施機関などを含めてカップルで十分話し合って計画することで、子どもの幸せ、家庭の幸せが望めます。
過多月経
月経の出血量が異常に多いもので、普通150㎖以上の出血があるものをいい、原因となる疾患が存在する器質性過多月経と原因となる疾患が存在しない機能性過多月経にわけることができます。
合併症妊娠
合併症妊娠とは、妊娠中に疾患を発症したり、疾患をもつ女性が妊娠したものをいいます。
カンガルーケア
裸の児を母親が素肌の胸元に抱きこむよう抱きかかえ、スキンシップを行う方法をいいます。母親だけでなく、父親や祖母など他の家族が行うこともあります。
児の低体温の予防や感染症の危険を減少させるほか、親子の愛着形成に有効であり、母親の気持ちを安定するなどの理由から、当初はNICUなどに入院し母子分離を余儀なくされている親子に対し積極的に行われています。最近では、出産直後の母子に対しておこなう産科施設も増加しており、多くの効果が報告されています。
間欠
子宮が収縮していない時期をいい、静止期ともいいます。
カンジダ膣炎
カンジダ膣炎はカビの一種である真菌類に属するカンジダ・アルビカンスの感染によって起こる膣炎です。
産婦人科領域では非常にポピュラーな疾患です。
一般的症状は膣部の強い掻痒感、無臭の白い酒粕状の帯下、強い発赤を伴う膣周辺部の変化、外陰部の腫脹、性交時や排尿後の疼痛、灼熱感です。
診断は膣分泌物を採取し、顕微鏡でカンジダ菌が異常増殖を確認することでできます。
治療は抗真菌剤の膣坐薬が一般的で、この膣坐薬を5～７日間膣内に挿入することによって治療します。
カンジダ膣炎の治癒率は80～95％と高いのですが、再発の頻度も高いので注意しましょう。再発の原因のひとつに初回感染時の不完全な治療があり、薬の使用を中断することによって菌が再び増殖します。
鉗子分娩
分娩時間が長くなったり、停止してしまったり、胎児の回旋の異常や胎児仮死、母体の疲労や異常などが起こり、胎児を早く出さないといけない場合に用いられる医療処置です。胎児の頭を左右から金属性の鉗子ではさんで娩出させる急速遂娩法です。
間接クームス試験
Rh陰性の妊婦の胎児がRh陽性のとき、母体血清中にRh陽性に対する赤血球不規則抗体が存在するかどうかを調べる検査法をいいます。
完全流産
流産の際に胎児およびその付属物が完全に排出された状態をいい、子宮は自然に収縮し復古が進みますが、きちんと受診し診察を受けましょう。
陥没乳頭
乳頭が突出せずに陥没状になっているものをいい、乳頭刺激により勃起するものを偽性陥没乳頭、刺激により勃起しないものを真性陥没乳頭に分けることができます。