妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

赤ちゃんの免疫系の発達

免疫とは、外界から侵入、あるいは体内に発生した自分と異なる物を認識し、これに適切に対応する能力をいい、生体を防衛する免疫系には、

  1. B細胞からの抗体産生を中心とした液性免疫系
  2. T細胞やNK細胞が関わる細胞性免疫系
  3. 好中球やマクロファージが中心となる食細胞系があります。

胎児期の免疫

胎児期の免疫は以下のように発達します。

液性免疫系の発達

妊娠期間中、IgGは胎盤を通じて母親から胎児に以降しますが、IgAやIgMは母親から胎児へは移行しません。また、これらの免疫グロブリンは原則として胎児期には産生されません。

細胞性免疫系・食細胞系

T細胞は胎児期にみとめられますが、その機能は未熟でNK細胞の活性も低く、食細胞系に関しても、胎児期には成人と比べ低く、補体系も不十分です。

出生後の免疫の発達

出生後、母親由来のIgGは徐々に減少し、生後4~5か月ではほとんど消失します。その後、自分自身でIgGを産生するようになり、4~6歳頃には成人に近い値となります。
IgMは、生後6か月頃には成人の半分程度となり、1歳で成人と同程度となります。
IgAは新生児~乳幼児期は低値なため、母乳中のIgAが消化管の局所免疫に大きな役割を担っています。
新生児期の補体値は成人の半分程度で、生後3~6か月で成人値に達し、多核球の機能も低く、新生児・赤ちゃんは感染しやすく、重症化しやすといえます。
さらに早産児では、免疫系は未熟でより感染しやすいことが問題となります。
また、母親由来の免疫IgGが消える時期に麻疹などの弱毒生ワクチンの接種時期が設定されています。

赤ちゃんの免疫

おばあちゃんがよく、初宮参り(百日のお宮参り)までは人ごみに連れて行ってはいけません。
これは、ママからもらった免疫が消失し感染しやすい時期であることを昔の人は経験から言い伝えて来たものだといえます。
その後、赤ちゃんはいろいろな感染症に罹りトレーニングしながら免疫を獲得し、発達していきます。しかし、このトレーニングはある意味とても危険なことで重症化する感染症に罹ると命に関わることとなります。
保育園などで集団生活をしていたり、家族や兄弟が多い赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんと比べると感染症に罹る機会が多く、早く抵抗力を獲得するといえます。

スポンサーリンク