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育児用粉ミルクの成分

粉ミルクは、主に牛乳が原料のものとアレルギーの赤ちゃんのための大豆などを原料としたものがあります。
牛乳は仔牛を育てるためには適しているのですが、人間の赤ちゃんにとっては高濃度のたんぱく質や母乳にないたんぱく質を含むため負担が大きくなります。
そこで母乳をお手本に、牛乳由来の脂肪(飽和脂肪酸)を除き、大豆油・ヤシ油を原料とした植物性脂肪(不飽和脂肪酸)を増量し、必須脂肪酸であるリノール酸、リノレン酸などが配合されています。
その他、オリゴ糖などの糖質、ビタミン類、微量の無機栄養ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、鉄、マンガン、ヨウ素などの微量元素)が添加されています。
粉ミルクをより母乳に近づけるために各メーカーで研究がなされ、さらに独自性を打ち出しより良い粉ミルクとなるよう様々な工夫がなされています。
粉ミルクはメーカーによって成分が異なりますが、それは各メーカーの特長としている成分が違うだけで、必須栄養成分の含有量に関しては大きな差はありません。
日本で売られている育児用ミルクの成分は健康増進法(特別用途食品:乳児用調製粉乳)に定められた基準にしたがっていますので、乳児が健康に発育するための必須栄養成分の含量に関しては、各社の製品の間に大きな違いはありません。

乳児用調製粉乳の成分の特徴

【たんぱく質】
たんぱく質は身体の組織を作る大切な栄養素です。牛乳ではカゼインが約80%、乳清たんぱく質(ホエーたんぱく質)が約20%ですが、調製粉乳はカゼイン40%、乳清たんぱく質60%と母乳と同じ割合にし、アミノ酸の組成も母乳に近づけています。乳清たんぱく質(ホエーたんぱく)はカゼインより赤ちゃんにとって消化しやすいうえ栄養価も高いたんぱく質です。
【炭水化物】
牛乳、母乳とも乳糖が大部分を占めます。調製粉乳には乳糖を添加して母乳に近づけています。また、母乳にはわずかですがオリゴ糖も含まれているのでオリゴ糖も加えています。
【脂肪】
脂肪は赤ちゃんにとって主要なエネルギー源で、必須脂肪酸の供給源でもあり、またビタミンAなどの脂溶性ビタミンの吸収にも重要な役割をもっています。脂肪は、牛乳、母乳とも量はほぼ同じですが脂肪酸の組成が異なります。調製粉乳は牛乳の脂肪を一部植物性脂肪に置換し、リノール酸など必須脂肪酸のバランスを母乳に近づけています。
【ミネラル】
ミネラルは、骨や体液を作ったり、体の筋肉、神経の働きにかかわる重要な成分です。
牛乳には母乳の約3.5倍のミネラルが含まれており、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウムが多く含まれています。そのままでは未熟な赤ちゃんの腎臓へ大きな負担となるため、ミネラルを低減し、母乳に合わせたバランスに調整されています。
【ビタミン】
母乳に唯一足りないといわれいるビタミンKも強化され、母乳栄養児に多いビタミンK欠乏性出血症を防いでいます。その他のビタミンのバランスも調整されています。
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