妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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赤ちゃんの哺乳に関する発達と行動

赤ちゃんがおっぱいを吸うことを”吸綴(きゅせつ)といいます。

吸綴と嚥下の発達

胎児は胎生12~14週ころから羊水を飲み始め、15~18週ころには咽頭反射とともに吸綴がみられるようになります。早産児において妊娠27~28週には乳房を探して吸着する動作がみられ、妊娠32週には吸綴と小休止パターンがはっきりみられるようになり、妊娠34~35週には吸綴と嚥下を調整することができ、妊娠37週ころにはそれらが協調できるようになります。

吸綴と嚥下と呼吸

正常正期産児が乳汁を飲む場合の”吸綴ー嚥下ー呼吸”のサイクルは、1:1:1で起こります。
しかし、正期産児であっても生後48時間以内は嚥下と呼吸の調和がとれておらず、生後4~5日に吸気ー嚥下ー呼気が安定したパターンとなります。

哺乳に関係する反射

母乳を飲む際にはいくつかの反射が関連しています。

適応反射

  1. 口唇探索反射…唇の周りに指などを触れると顔を向けて口を開く反射。
  2. 吸綴反射…口に触れたり、口の中に指を入れると規則的に吸綴する反射。
  3. 嚥下反射…乳汁など口腔内にあるものを飲み込む反射。
  4. 突出反射…乳房をとらえて口の中に入れようと舌が前方下方に動く反射

防衛反射

  1. 嘔吐反射…口の中の喉近くに異物が入ると異物を排除するために嘔吐する反射。
  2. 咳反射…気道内の刺激に対して、肺内の吸気を突発的に流出させ異物を排除する反射。

吸綴と嚥下の発達

吸綴運動は、赤ちゃんの月齢がすすみ発達するにつれて変化していきます。
未熟児では、吸綴運動で”吸う”と”休む”のリズムが交互するという通常のリズムが未熟で、筋肉が疲労して動けなくなるまで吸綴が反射的に規則的に継続し、長い時間でも吸うことがあります。
未熟児から成熟児へ発達するにつれて、”吸う”と”休む”のリズムが形成され、次第に規則的になり、哺乳時間も一定になってきます。
生後1か月頃になると比較的長い”吸う”と短い”休む”のリズムが成立し、吸引力も強くなり、哺乳力も強くなって「ウックン、ウックン」とよく飲むようになります。
2~3か月頃になると哺乳は反射的でなくなり自律哺乳が可能となります。
哺乳時にママの顔を見たり、まわりをながめたりして飲みが低下し、「だらだら飲み」「遊び飲み」が見られるようになりますが、これは情緒面の発達の行動でもあり大切な一段階で長い期間続くことはありません。
発達するにつれて、周囲からの刺激があってもそれに反応し続けられる「ながら飲み」ができるようになってきます。
生後4~5か月になると吸引圧と圧出圧の大きい効率の良い哺乳ができるようになってきます。

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