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先天性耳瘻孔

生まれた時から耳の付け根や耳たぶなに針の穴程度の孔が開いていることがあり、この孔を先天性耳瘻孔といいます。
多くの場合耳介の前方に小さな孔(瘻孔)として認められ、その大きさは縫い針の穴程度のものです。時々その孔が耳介軟骨(じかいなんこつ)の上にできる場合もあります。

先天性耳瘻孔の発症頻度

先天性耳瘻孔は約100人に1人の割合で発生するといわれおり、両側性もあるのですが片側性の方が比較的多く見られます。
家族性に多い場合があることが報告されおり、両親のどちらかに先天性耳瘻孔がある場合には、子供にも症状が出やすいといわれています。

先天性耳瘻孔の原因

先天性耳瘻孔の原因は、遺伝が関係すると考えられています。
胎内での器官発生において耳介が形成される時に完全に閉鎖されずに発生を終えてしまい、小さな孔やすきまがが残ったまま出生したためです。

先天性耳瘻孔の特徴

先天性耳瘻孔は、小さな袋のようになっているのですが、1~1.5㎝程度の長さになっています。
袋はさまざまな形をしており、耳介軟骨に癒着することもあれば、軟骨を貫(つらぬ)いてさらに奥に入っている場合もあります。まれに袋が外耳道にまで達することもあります。

先天性耳瘻孔のケア

この小さな袋状の孔に白い泥状の分泌物がたまるとふくらみ、孔から自然に、または孔の周囲を圧迫すると分泌物が出てくることがあります。この分泌物が感染の原因となって炎症を起こす可能性があります。感染すると袋ごと発赤してはれあがり、孔の周囲に痛みを訴えます。袋からさらに周囲の皮下組織に炎症が及ぶと発赤とはれが拡大し、うみがたまり、激痛が起きます。
孔を見つけても何も症状がなければ放置してもかまいません。感染しないように孔の周囲を清潔にするように心がけてください。

先天性耳瘻孔の治療

感染を起こした場合、初期であれば積極的な外科的治療は行われず、抗生剤や消炎薬などでの治療が行われます。
しかし、炎症がひどくなり膿瘍(のうよう)になり、内服薬では効果が得られない場合には切開して膿を出す必要があります。
炎症がおさまったら、再度、袋ごと孔を摘出する手術を行う場合もあります。
袋を広範囲に摘出すればとくに問題はないのですが、袋が複雑な走行をしている場合には摘出術中に袋の一部分が取り切れず、残ってしまい再発することもあります。

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