妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の感覚機能

出生するとすぐに体外生活に適応するために新生児は様々な器官や臓器は変化します。新生児の感覚機能は以下のような特徴があります。

新生児の感覚機能

新生児は出生時、すでに視覚や聴覚などの感覚器の機能が成熟しています。しかし、見たり聞いたりしたものを識別するには至らず、認識能力の発達を待たなければなりません。認識能力の発達は、見る、聞くなどの感覚器能の発達をとおして得られるため適切な刺激を与えることが大切となります。

【見る】
新生児は授乳時に母親の目を見つめることができ、ある範囲内の動きを目で追うことができます。測定法にもよりますが新生児の視力は0.01~0.05程度であり、視野も比較的早くから広がり、発達しているため、比較的よく見えているといえます。視覚は眼球の中に像が映り、その像が脳に伝わり、像が何であるかを判断する機能をいいます。出生時に眼球は完成していても映った像を判断するためには脳の発達が不可欠です。
【聞く】
突然の音にビックとする」「突然の音に眼瞼がギュッと閉じる」「眠っているときに突然大きな音がすると眼瞼が開き」などの新生児の反応を見聞きしたことはありませんか。これらの反応は、新生児の聴覚が発達していることを示しています。新生児は生まれてすぐに音に反応し、1週間ほどすると呼びかけるの声の方に顔を向けることあができます。聞くということは、音に気付き、何の音か聞き分けることで、後に言葉を理解することにつながります。出生時には聞く機能は備わっていますが聞き分けるには音や言葉を繰り返して聞いて理解することが必要です。
【味わう】
新生児は、甘い、酸味、塩味、苦味、旨味の5つの味を識別する能力をもち、特に旨味や甘味を好みます。新生児の味を識別する能力は胎児期よりすでに始まっており、出生後も乳汁などによって発達していきます。また、新生児は大人よりも微妙な塩味濃度にも反応でき、人体に好ましくないものは摂取しないよう鑑別する能力をもっています。おいしいと感じることは、食欲が出て食物の摂取と消化が促されることに加え、豊かな情緒を育てることにつながります。
【触れる】
新生児を抱っこしたり、軽くトントンと叩くと新生児はすやすやと眠る。あるいは、母親の胸の中に赤ちゃんを入れて肌と肌を触れ合うカンガルーケアを行うと新生児は深い眠りに落ちます。これらは、肌に触れるという触覚が視覚や聴覚よりも優位になることを表しており、新生児は触れられることを通して周囲の環境を理解していくことができるようになります。
【嗅ぐ】
出生した新生児を母親の胸の上に置くと新生児は母親の乳房をめざしてのぼり、片方の乳房を吸い始めます。これは母親の乳房が発する臭いをガイドとして哺乳行動が開始されると考えられています。このように、新生児は臭覚をガイドとして行動を導いている側面があります。
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