妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の神経系

出生するとすぐに体外生活に適応するために新生児は様々な器官や臓器は変化します。新生児の神経系は以下のような特徴があります。

新生児の中枢神経系の発達

新生児の中枢神経系は、出生の前後で大きなストレスに遭遇することになります。いわゆる胎児ジストレスや新生児仮死などの周産期における中枢神経系への低酸素、虚血の曝露は児の神経学的予後を左右する重大な出来事といえます。この新生児の中枢神経系障害を考える上でもっとも重要かつ特徴的なことは新生児の脳の易障害性と可逆性です。
中枢神経系は、延髄、脳幹、間脳、大脳の順に深部から発達してきます。新生児の脳はシナプスの形成の途上にあり中枢から末梢へ、頭から尾へ、粗大から微細運動へとすすみます。
新生児の脳は発達途上であるため、障害を受けやすいのですが、一方では障害を受けた部分を他の神経細胞がカバーするような可朔性もあります。例えば、出生時に大脳半球広範におよぶ脳梗塞を認めても、その後の神経学的発達に何ら障害を認めない児が多く存在していることは事実であり、また、先天的に視覚障害がある児は、聴覚が高度に発達することも知られています。
学習や環境から受ける刺激に柔軟に対応できるように、ヒトの脳は特殊な適応能力を持っています。この環境に合わせて変化できる能力を可朔性といいます。

新生児の原始反射

新生児には特有な原始反射があり、神経系の状態を反映します。

【吸綴反射】
口腔内に物を入れると唇と舌で吸い付いてくる反射。
【口唇追いかけ反射】
口唇の側端に触れるものがあるとその方向に口をゆがめて唇を持ってくる反射。
【モロー反射】
仰向けにした新生児に頭を手のひらで支え、約10~15㎝ベッドから上げて、頭を手をのせたまま落下させて、あるいは、大きな音を出して驚かせるような刺激を加えたときに起こる反射で、両上肢を大きく開き、側方から正中方向nちょうど抱きつくような動作を示す反射。
【把握反射】
①手の把握反射:検者の指を手のひらに入れ手掌を圧迫すると指を屈曲させて握り返すような動作をする反射。
②足の把握反射:足趾の付け根を圧迫すると、全趾が屈曲する反射。
【ガラン反射】
腹臥位で水平抱きにし、脊柱のそばを一側ずつ上方から下方へ検者の指でゆっくりとこすると、こすった側へ脊柱が弓状に曲がる反射。
【非対称性緊張性頸反射】
仰臥位にした新生児の顔を一方に向けると、顔が向いた方向の上下肢が伸展し、他の上下肢が屈曲する反射、フェンシングをしている姿に似ています。
【自動歩行反射】
新生児のわきの下を支え、足底を台に付けて体全体を前屈させると、下肢を交互に曲げ伸ばしして、あたかも歩いているような動作をする反射。
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