妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の栄養

出生後しばらくは上手に哺乳することができませんが、新生児は生命維持のためにエネルギーを必要とし、それを補うために出生後しばらくの間は体内に貯蔵されているエネルギー源を利用します。
新生児の栄養は以下のような特徴があります。

新生児の栄養に関する特徴

新生児の栄養に関する特徴としては以下のようなものがあげられます。

【固形物を食べられない】
新生児は、消化・吸収の機能が未熟であること、舌を使って固形物を咽喉まで運び、飲み込むという一連の動作ができないことから固形物を食べることができません。
新生児は吸綴によって母乳やミルクなどの液体を口腔内から咽頭へ送り込んで嚥下反射によって飲み込んでいます。
すなわち、新生児はカロリー濃度の薄い流動物での栄養摂取であるため、多量にそして頻回におっぱいやミルクを飲まなくてはなりません。
新生児の必要カロリー200ml/㎏/日は、成人60㎏の場合は12ℓのミルクを飲まなくてはなりません。
【栄養不足になりやすい】
新生児は急速に成長する必要上、代謝率も成人よりもきわめて高く、より多くの熱量、蛋白質など多くの栄養素を必要とします。また、肝臓や皮下への栄養の貯蓄が少ないため飢餓に対して弱く、低栄養や種々の栄養障害を容易に起こすことがあります。
全体の消化・吸収も未熟でとくに脂肪に関する消化・吸収能は劣っています。また、糖質や蛋白質の過剰な投与も容易に消化・吸収不全を引き起こしやすいといえます。
【栄養代謝が未熟】
新生児は、消化酵素不足していることで合成できない栄養素を外から与えなければなりません。、また、蛋白質の負荷がある限度を超えると高フェニールアラニン血症や高チロシン血症を起こし、神経発達に栄養を及ぼすことがあります。

新生児に必要な栄養量

新生児に必要な栄養量として、新生児のカロリー所要量、新生児の栄養の吸収は以下のようなものです。

新生児のカロリー所要量

  1. 基礎代謝:50kcal/㎏/日
  2. 身体運動:15kcal/㎏/日
  3. 体温調節:10kcal/㎏/日
  4. 栄養の吸収・消化:8kcal/㎏/日
  5. 便・尿中喪失:12kcal/㎏/日
  6. 発育:25kcal/㎏/日

新生児の栄養の吸収

【糖質】
新生児のエネルギー源は主に糖質で1日に必要な熱量の約45%が占められています。炭水化物(単糖類・二糖類)は消化酵素が発達しているため小腸から吸収されますが、多糖類は、生後3か月までは吸収率が低いことがわかっています。
【たんぱく質】
1日に必要な熱量の約10%をたんぱく質が占めています。母乳やミルク中のたんぱく質は分解・吸収されますが、牛乳蛋白に含まれる高分子ペプチドは分解されないため、免疫学的にアレルギーの引き金になると危惧されています。
【脂質】
脂質は、母乳やミルク中の含有量も少なく、消化吸収も不十分なのですがエネルギー源としては重要で1日に必要な熱量の約45%を占めています。母乳は牛乳脂肪よりもはるかに消化されやすく、脂肪消化吸収能力は生後6か月以降に整います。
【ビタミンK】
血液の凝固能と関係が深いビタミンKは出生時の腸管内が無菌状態であるため必要量が供給・吸収されません。そのため出生後24時間以内にK2シロップ1㎎を経口投与されます。
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