妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の消化器

吸綴・嚥下反射の一連の消化運動は出生時には可能なのですが、実際には出生後しばらくは上手に哺乳することができません。
胎児期には、吸綴運動や嚥下運動は認められますが、腸の蠕動運動は認められず、出生後に腸は動き出し消化・吸収が始まります。

新生児の消化管の特徴

新生児の消化管の以下のよういな特徴があります。

新生児の胃の特徴

新生児の胃の容量は出生直後は4~7㎖程度で、出生後急速に増加し生後1週間で約50㎖、その後の哺乳量の増加にともなって容量は増加していきます。
新生児の胃の形は成人と比べると縦型で胃の入り口の括約筋が弱く、ゲップとして空気が出やすい構造になっています。このことが飲んだ母乳やミルクを吐く"溢乳"が起こりやすいという原因です。このように生理的な呑気症は排気(ゲップ)によって対応できています。
新生児の胃を固定している靭帯はゆるいため胃の軸捻転が起こりやすく、軸捻転が起こると飲み込んだ空気は排気されにくく、腸の方へ流れて腹満やおう吐の原因となります。また、腸管壁の筋層は薄く、かつ蠕動運動も不規則で全体的な強調運動が悪く、容易に腸管拡張や腹満が起こります。

新生児の腸の特徴

新生児の腸管壁は筋層が薄く、蠕動運動も不規則なため腸管拡張を起こし腹部膨満となりやすい。
初回排便は生後24時間以内に暗緑色の胎便が排出され、その後、暗緑色から黄土色の移行便となり、哺乳量が増えると普通便へと変化します。
胎児では無菌であった腸内には12時間以内に腸内細菌叢が出現してきます。
哺乳後に自律神経によりコントロールされた腸の蠕動運動が起き、消化ホルモンの作用とともに速やかに通過して約8~12時間程度で便として排出されます。

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