妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の血液

出生すると肺でのガス交換となり、酸素濃度環境が変化することで新生児の血液系も大きく変化します。
体外生活に適応するための新生児の血液系は以下のような特徴があります。

新生児の赤血球系の特徴

新生児の平均赤血球数は出生後の臍帯結紮のタイミングや分娩様式などにより差がいずれの場合も胎児期の低酸素環境のなごりで新生児の赤血球(赤血球数、ヘマトクリット、Hb)は成人に比べて多くなっています。
一般的に赤血球は出生数時間のうちに血液の濃度によってさらに一過性に増加します。
一方、肺呼吸に伴う血中酸素分圧の上昇などによりその後も赤血球は減り続け、生後2ヵ月ころに最低値に達します。

新生児の白血球系の特徴

白血球数は出生後は増加して12~14時間に平均15500/цLとピークに達します。その後は急激に減少し、日齢7日目までにすでに成人正常値とほぼ等しくなります。
この白血球の増加は好中球の増加によるものなのですが、貯蔵プールが小さい、予備能力がほとんどないなどの理由から好中球が容易に枯渇してしまい、重症感染症に十分対処できません。

新生児の血小板

正期産児の血小板数は成人と差はありません。
早産児では在胎期間が短いほど血小板数は少なくなる傾向にありますが基礎疾患がなければ10万/цLを切ることはまれです。
一方、在胎週数が短いほど血小板産生予備能力が低いため産生抑制や破壊亢進の負荷がかかると容易に血小板減少をきたしてしまいます。

新生児の凝固・線溶系

新生児の凝固因子は正期産児でもフィブリノゲン、第Ⅴ因子、第Ⅷ因子を除き低下しています。とくに肝機能が未熟な早産児では低下の亢進が著しいといえます。
凝固抑制因子も同様であり、その結果、新生児では凝固系と血栓抑制系のバランスが悪く、出血のみならず血管内凝固亢進に対しても十分に対応できません。これが新生児に出血しやすい理由でもあります。

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