妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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胎児から新生児の血液の変化

胎児は胎盤を介して酸素を受け取っているため空気中に比べて低酸素状態にあるため、胎児期は赤血球産生が亢進していて生理的な多血状態にあります。
出生すると胎児は自ら呼吸するため胎児期と比べて高酸素状態となります。
その結果、不要になった赤血球の多くは溶血を起こすことになります。

胎児の血液

胎児期のヘモグロビンは胎児ヘモグロビンをいい酸素に対する親和性が高く、多くの酸素と結びつくことができます。
その理由としては、胎児は胎盤を介して母体から酸素を受け取っているための低酸素状態に対応するためです。
さらに多くの酸素を運ぶために血液量を増加させていています。

出生後の血液の変化

出生後、呼吸により空気を肺へ取り込み、酸素濃度環境が変化するため多量の赤血球が不要となります。
特に低酸素状態に対応でいていた胎児ヘモグロビンは不要となるので出生後には赤血球の溶血が始まります。
この溶血によるビリルビンの産生が原因となって新生児黄疸を引き起こします。

胎児の凝固因子

胎児期においては胎盤を介しての循環であるため、それを維持するために血液中の凝固因子は低く保たれています。
血液中の凝固因子は成人の約半分程度です。

出生後の凝固因子

出生後、胎児循環から新生児循環へと切り替わると血液中の凝固因子は増加します。
凝固因子の中で問題となるものが肝臓で産生されるビタミンK依存性の血液凝固因は、不足がちなため出生後に消化管出血を起こすことがあります。
これは"新生児メレナ"とよばれるもので、我が国において新生児メレナを予防するために新生児すべてに対し、出生直後、生後5日目、生後1ヵ月目にビタミンKの経口補充が行われています。

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