乳房のケア
乳房ケアの目的は自分の乳房の状態を理解し、乳房トラブルを発見し、乳房トラブルに対処できることで母乳育児がスムーズに進めることができます。
乳頭トラブル
乳房トラブルには、発赤や水疱、痂皮などの乳頭トラブル、乳房うっ積や乳汁うっ帯などの乳房緊満、乳腺炎などの感染症があります。
乳頭トラブルの原因には、赤ちゃんの抱き方や赤ちゃんの頭の固定が不十分なために吸綴が浅くなっていること、乳頭や乳輪が硬いために赤ちゃんが十分に舌を絡ませることができないこと、赤ちゃんの吸綴力が強すぎることなどがあります。
このように乳頭トラブルを予防するには、授乳の前に十分に乳頭や乳輪部のマッサージをおこない軟らかくしておくことに加え、吸綴が浅くならないように赤ちゃんの抱き方や頭の固定に注意する必要しましょう。
乳房マッサージの目的
乳頭・乳輪部のマッサージを行う目的には以下のようなものがあります。
- 乳頭・乳輪分を優しくマッサージすることでオキシトシンやプロラクチンの分泌を促して射乳反射を誘発することが期待できます。
- 赤ちゃんの口腔内に入る乳頭・乳輪部周囲を柔らかくして伸展しやすくさせる。
- 赤ちゃんが乳房をとらえた深く吸着(ラッチ・オン)でき、乳房から直接効果的に母乳を飲むことができるようにする。
- 乳頭に傷を作らないようにする。
乳頭・乳房マッサージの適応
乳頭・乳房マッサージの適応は以下のようなものがあります。
- 乳房の緊満が強く、乳頭・乳輪部が硬いために深く吸着(ラッチ・オン)できないとき。
- 乳頭に傷や痛みなどがある場合などに、乳頭への吸綴圧の負荷を少なくして授乳したいとき。
- 赤ちゃんが人工乳首の吸い方に慣れていたり、赤ちゃんが大きな口を開けない、舌を歯茎より前方に出さないなどの一時的な機能上の理由により乳房を深くとらえて吸綴できない場合。
- 唇顎口蓋裂や口蓋の形など赤ちゃんの哺乳にかかわる形態的問題があり、少しでも乳房を唇や口抗の形態にフィットさせたいとき。
スポンサーリンク