妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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出産後の乳房の変化と乳汁分泌

妊娠中から準備が始まった母乳の変化・母乳の分泌は出産後からは初乳分泌がはじまります。

出産後の乳房の変化と乳汁分泌

妊娠中に準備が整った乳汁分泌にかかわる乳房の変化は、妊娠初期から中期にかけて乳腺が発達する「乳腺発育期」、妊娠中期の乳汁分泌開始から出産を経て乳汁分泌が維持され続ける「乳汁生成Ⅰ期」「乳汁生成Ⅱ期」「乳汁生成Ⅲ期」、授乳終了に乳房が退縮していく「乳房退縮期」の5段階にわけれれます。

乳汁生成Ⅱ期

胎盤娩出による血中プロゲステロンなどの急激な減少が引き金となり、抑制されていたプロラクチンが作用し始めて乳汁生成が開始します。
産後1日後半頃より乳房が充満し始め、産後36~96時間にかけて乳汁分泌量が急速に増加します。
産後4日目までに初乳が移行乳に代わり、産後8~10日目頃には成乳になります。
乳汁成分も大きく変化し、産後2日目以降は初乳中に含まれていたナトリウムやクロールが減り、ラクトースと乳脂質が増えてきます。
産後早期の初乳の生産量は7~123ml/日で、産後96~120時間頃には452~876ml/日の母乳が分泌されます。
産後早期に頻回の授乳がおこなわれると、吸綴刺激がプロラクチンのはたらきを促し、母乳産生がより早く増加します。
出産直後から十分に授乳していれば乳房は軽く充満する程度で、母乳分泌量は日を追うごとに増加してきます。この時期は授乳または搾乳をしないと1週間でプロラクチンは非妊時の値まで低下し、乳汁は初乳のようになり数日で分泌が停止することもあります。

乳汁生成Ⅲ期

出産後9日以降の成乳分泌が維持され退縮にいたるまでの階段を指します。
産後継続的に授乳を続けていても血中プロラクチンの値は出産直後から徐々に下がっていきます。
しかし、赤ちゃんが乳首を吸綴することで乳頭への刺激によって一時的に血中プロラクチン濃度があがり、母乳が分泌されます。これに加えて、この段階の乳汁産生量は、授乳もしくは搾乳により乳房から取り除かれる乳汁量によって乳汁産生が決まります。
赤ちゃんと母親の乳房の精密な需要と供給バランスシステムによって、母乳分泌が調整され続けいる時期です。この時期の母乳量は徐々に増えて、産後6か月には550~1150ml/日の母乳が分泌されます。

乳房退縮期

離乳が始まると乳蛋白、クロール、ナトリウムの濃度が上昇し、分泌量が400/日以下になると、ラクトース(乳頭)の濃度が低下します。
授乳終了は退行性変化により多くの腺細胞は細胞死を迎え乳腺組織が減少します。

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