妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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泌尿器系の変化

妊娠によって循環血液量が増加することから、腎血流量(RBF)、腎血漿流量(RPF)、糸球体ろ過率(GFR)は増加し、このため血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)も変動します。
妊娠中、増大した子宮によって頻尿や膀胱尿管逆流現象が起こり残尿が多く尿路感染症を起こしやすくなります。

産褥期の泌尿器系

分娩後しばらくは尿量の増加がみられ1500~2000㎖/日程度の排尿があります。
また、分娩後は児頭による膀胱・尿道括約筋の過度の圧迫や伸展などにより尿意の減少や会陰裂傷などの創傷により排尿困難、まったく尿意を欠く尿閉を起こすことがあります。これは分娩後膀胱麻痺とよばれ一過性のもので12~24時間以内に回復し、自然な排尿がみられるようになります。
また、産後に尿失禁を経験する女性は多く、分娩時間、児頭の大きさ、会陰切開などが関係します。ほとんどの場合、産後3ヵ月で回復します。
その他、分娩時の膀胱圧迫などにより尿が濁ったりすることがありますが自然に回復します。また、分娩後0~2日に約40~50%の褥婦に尿蛋白が検出されることがありますが産褥2日程度で消失します。産褥3日以降に尿蛋白が検出される場合は妊娠高血圧症候群や尿路感染症が疑われ注意が必要です。
腎機能は分娩直後の生理的な利用期間を終えると非妊時の状態に回復し、妊娠により上昇していた腎血漿流量(RPF)や糸球体ろ過率(GFR)は、産褥6週までに非妊時の状態に戻ります。

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