妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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ベビーサインが誕生するまで

お話ができない赤ちゃんが、身ぶり手ぶりのジェスチャーで話す『ベビーサイン』によるコミュニケーションを提案したのは、カリフォルニア大学デービス校のリンダ・アクレドロ教授(発達心理学)とカリフォルニア州立大学スタニスラウス校のスーザン・グッドウィン教授(心理学者)です。

ベビーサインのきっかけ

はじまりは、「ベビーサイン まだ話せない赤ちゃんと話す方法」の著者の一人である、リンダ・アクレドロ教授に赤ちゃんが生まれたことでした。
それまで、リンダ・アクレドロ教授もスーザン・グッドウィン教授も赤ちゃんではなく学童期を対象とした研究をしていました。
2人の研究対象が変わったきっかけは、リンダ・アクレドロ教授の娘ケイトちゃんが1歳になった頃から突然、いろいろなジェスチャーを使って、リンダ・アレグロ教授に話しかけるようになったことです。
ある日、ケイトちゃんが庭のバラを指さして、クンクンと匂いを嗅ぐまねをしては母親であるリンダ・アクレドロ教授を見つめるという行動に気がつきました。
リンダ・アクレドロ教授はケイトちゃんが何かを訴えようとしているのではないかと考えました。
リンダ・アクレドロ教授は普段から、花を見たときには「お花きれいね」と匂いを嗅がせていましたのでこのような仕草で「花」を伝えるようになりました。
また、ケイトちゃんは、ろうそくを吹き消すような仕草で「魚」を、両手の人差し指をこすりあわせる仕草で「クモ」で伝え始めました。
これらが『ベビーサイン』が生まれるきっかけとなりました。
ケイトちゃんはこれらのジェスチャーをいつもやっている遊びの中から、パパやママの仕草から思いつき、それはママに花やクモ、魚のことを伝えたいがため「ベビーサイン」を使ったのだと考えられます。
「言葉は話せないけれど、彼女も話をしたかった。だからこんなサインを使って伝えようとしたんです。」とリンダ・アクレドロ教授は話しています。

ベビーサインへの研究

リンダ・アクレドロ教授は、他の赤ちゃんも「ベビーサイン」を使って、自分の意思を伝えようとしているのではないかと考え、1982年から本格的に研究を始めました。
国の助成を受けて140組の親子を対象に行った研究では、ベビーサインを使うグループと使わないグループに分け、言語能力や知能の発達などの調査を行いました。
大学内に研究室を設け、その親子が遊ぶ様子をビデオに録画し、子どもの発声や会話を分析したり、知能テストなども実施しました。
その結果、ベビーサインを使う子どもは、使わなかった子どもに比べ、約6年後の8歳の時点でも、知能指数が平均12ポイント上回りました。
しかし、何よりも大きかったのは、親と子の関係が深くなったことだとリンダ・アクレドロ教授は言っています。
子どもの側にすれば、自分の気持を分かってくれないという欲求不満が解消できます。
親は、何も知らないと思っていた赤ちゃんと、”会話”できることで、子どもがいかに発達しているかを実感し、感動することができます。

ベビーサインに広がり

リンダ・アクレドロ教授とスーザン・グッドウィン教授は、もっと多くの人にベビーサインを広げるためにベビーサインに関する研究内容を一般向けにまとめ出版しました。
ベビーサイン関連出版物は、これまでにアメリカで20万部以上が売れ、2001年には日本でも出版され少しずつすそ野が広がっています。
赤ちゃんは発見の天才、赤ちゃんはベビーサインをつくるのが大好きです。
ベビーサインを使って大人が気づかないことを教えてくれます。
ベビーサインは親子にとって嬉しい発見の連続で、さらにちょっと想像力をはたらかせるとベビーサインの楽しみ方はどんどん広がっていきます。
赤ちゃんはママやパパと話したいと思っています。
赤ちゃんは話せないのではなく、話す方法を知らないだけです。
そんな赤ちゃんにベビーサインという方法を教えてあげてください。
ベビーサインで培われた親子の愛情と強い絆は一生の宝物となるはずです。

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