妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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痩せていると赤ちゃんに影響しますか?

女性のやせ願望は強く、80%以上の女性にダイエットの経験があります。
しかし、その多くはダイエットの必要がないのに無理な食事制限や偏った食事でダイエットを何度も繰り返しています。
女性の過度なダイエットは、ファッションモデルなどに対して「痩せすぎのモデルは全面禁止」という報道が注目を集めました。これは体型維持のために拒食症となり若いモデルさんが死亡したことによります。
若い女性の「やせ」は健康に影響を与え、リスク要因となっています。さらに妊娠への影響、我が子が将来生活習慣病にかかるリスクが高まると考えられています。
2017年(平成29年)に行われた国民健康・栄養調査によると、BMIの肥満度が18.5未満のやせ(低体重)が20歳代女性では21.7%、30歳代では13.4%、40歳代では10.6%という結果で大きな問題となっています。
2020年版の食事摂取基準によると20代女性の1日の推定エネルギー必要量は2000kcalなのですが実際に摂取しているエネルギー量の平均は1643kcal(2018年)でした。
痩せるための手段として食事の制限や偏った食事をとっています。その結果、体重は減りますがそれだけではなく栄養不良・栄養失調の状態に陥ってしまい貧血、ホルモンバランスの乱れ、骨粗鬆症、摂食障害、さらに妊娠、胎児、新生児への影響が指摘され、厚生労働省は、若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題に関して警鐘をならしています。
日本産科婦人科学会は、体重増の目安となる新たな数値を以下のとおりに定めました。
妊婦の体重増加指導の目安は妊娠前のBMI(体格指数:体重(㎏)を「身長(m)×身長(m)」で割った値)別に示されている。

  • 妊娠前にBMI18.5未満の低体重(やせ):妊娠中に12~15㎏体重を増やすことを目安とする。
  • 妊娠前にBMI18.5~25未満の普通体重(標準体重):10~13㎏体重を増やすことを目安とする。
  • 妊娠前にBMI25~30未満の肥満(1度):7~10㎏体重を増やすことを目安とする。

さらに厚生労働省も新しい「妊娠前からはじめる妊婦の食生活指針」の中で、日本産科婦人科学会が提唱した「妊婦の体重増加指導の目安」の数値を推奨しています。

女性のやせと早産

妊娠前の痩せ妊婦は早産の割合が高く、さらに妊娠前の体格に関わらず妊娠中に適正な体重増加が得られない場合に早産率は高くなるという報告がありり、妊娠前痩せや標準体重の場合は適正な体重増加が重要です。
女性の痩せの影響は、女性だけでなく将来生まれる赤ちゃんにも影響を与えます。
低出生体重の赤ちゃんに将来発症するリスクがある疾患として、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、メタボリック症候群、脳梗塞、脂質異常症、神経発達異常などが挙げられています。

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