妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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なぜ、早産児には母乳が重要なんですか?

早産で生まれた赤ちゃんがNICUに入院するとできるだけ母乳を搾乳して持ってくるよう説明があります。
搾乳しても母乳が数滴しか出ない…。
それでも良いんですよ。
母乳は、正期産児ちゃんにも早産児ちゃんにも、赤ちゃんにとって母乳は最適な栄養です。
とくに、早産で生まれた赤ちゃんは肺や消化器など未熟なままで生まれてくる場合が多く、生まれたあとに様々病気に罹る場合もあります。
母乳は、栄養学だけでなく免疫学からみても利点が大きく、とくに早産児にとって重要であることがわkっています。

早産児にとっての母乳

母乳の成分は、産後経過ととともに初乳、移行乳、成乳と変化します。さらに正期産児のママの母乳と早産児のママの母乳の成分は異なることがわかっています。すなわち母乳はそれぞれの赤ちゃんに適したものが作られ、分泌されるといえます。
早産児のママの母乳中に多く含まれる乳糖を分解する消化管酵素の活性が高く、乳糖の消化に適しています。また、初乳の蛋白質も消化されやすく消化管が未熟な早産児ちゃんにとって母乳はより適した栄養といえます。
さらに、脂肪分も多く含まれ、成長に重要なエネルギー源となり、母乳には脂肪分分解酵素であるリパーゼが含まれているので母乳中の脂肪をより効率よく消化することがでエネルギーがたくさん必要な早産児ちゃんにとって有利です。
母乳中には免疫グロプリン(IgA)、オリゴ糖、抗炎症因子など感染防御因子が含まれていて、生後初めて消化管に入るものが母乳の場合、母乳中のムチンが腸粘膜を被うため、病原体や異種蛋白が通過することから守っています。

早産児ママにとっての母乳

母乳を飲ませることは赤ちゃんにとって大きなメリットがあるだけでなく、ママにとっても大きな意味をもちます。
赤ちゃんを早産で産んでしまったという負い目や後悔、ある意味での罪悪感、自責の念を抱えているママも少なくありません。
母乳をあげることで心理的にいも楽になり、母親としての自覚、自身へとつながっていきます。
搾乳して赤ちゃんの元へ運ぶことで面会ができ、状態が良ければ母乳注入ができたり、哺乳瓶で飲ませることができます。
赤ちゃんとの面会を重ね、少しずつあかちゃんに触れる回数が多いと早産児の母乳摂取率が高いと言われています
搾乳はとても大変なことなのですが、数滴でも赤ちゃんにとってはとても重要な数滴です。いずれは直接おっぱいを吸わせることができるようになります。
母乳は、早産児ちゃんにとって特別な成分を含んでいます。焦らずに助産師や看護師などのサポートを受け赤ちゃんの退院に備えましょう。

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