妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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なぜ保育器に入れるのですか?

テレビなどで保育器に入った赤ちゃんの映像を見ることがあると思います。
また、実際にわが子が保育器に入ったというお母さんもいると思います。
保育器に入っている赤ちゃんを見ると「かわいそう」「痛い痛しい」などと感じる方も少なくないようです。
おじいちゃんやおばあちゃんの中には、保育器に入ると目が見えなくなると心配なさる方もいます。
これは、未熟児網膜症で医療訴訟としてメディアにとりあげられたことで、保育器に入ったことで発症すると思い違いをなさっているのだと思います。
未熟児網膜症とは網膜血管の未発達のために起こる網膜血管病変で妊娠34週未満で産まれ赤ちゃんや出生体重が1800g未満の低出生体重児に起こりやすいといわれており、発症率は出生体重1500g未満で約60%、在胎28週未満ではほぼ100%です。

保育器に収容する目的

新生児は、体温や呼吸などの機能が未熟なため環境の影響を受けやすいという特徴があるため、病院によっては出生直後からしばらくの時間、全ての新生児を保育器に収容しするところもあります。
さらに、早産児や低出生体重児はさまざまな機能が未熟な状態で生まれて来ますので環境の影響により命の危険に関わることもあるため、早産児や低出生体重児にとって保育器は必要な医療機器の一つです。

保育器とは

保育器は、新生児医療にとって重要な医療機器の一つで、クベースまたはインキュベーターともよばれ、新生児に適した温度環境で保育することを目的としています。
保育器は、透明なフードが付いている箱型の閉鎖式とフードのない開放式保育器などがありますが、一般的に保育器というと閉鎖式保育器をさします。
保育器は、保温・加湿・感染防止・酸素供給などのほか、光線療法などの治療が容易にできるようなさまざまな機能備わっています。

保育器の基本的な機能

保育器は、赤ちゃんのベッドではなく、赤ちゃんに適した環境をさまざまな機能を備えています。
基本的な機能には以下のようなものがあります。

赤ちゃんに適した温度に保つことができる

早産児や低出生体重児は、体温調節の機能が未熟で環境温の影響を受けやすく、簡単に低体温に陥ってしまいます。
保育器は、赤ちゃんに適した環境温を保つことができ、低体温を防ぐことができ低血糖などの合併症を防ぐことができます。また、赤ちゃんに適した環境温を保つことで消費エネルギーを抑えることができ成長を助けることができます。
また、機種によっては赤ちゃんの皮膚温を完治し、保育器内を一定に保つことができます。

赤ちゃんに必要な湿度を提供することができる

早産児や低出生体重児は呼吸機能が未熟な場合が多く、空気は加温ヒーターで温められ、加湿装置で湿度を与えられることで呼吸のストレスが軽減できます。

赤ちゃんを感染から守ることができる

保育器に収容することで外界と遮断することができ感染を防ぐことができます。
また、外気はフィルターを通して保育器内にとりいれられます。
また、保育器には数箇所窓がついており、感染を防ぐことができます。

治療として酸素を供給することができる

早産児や低出生体重児などは呼吸機能が未熟で生まれた来ることが多く、酸素を必要とします。
大人であれば酸素マスクなどを使って酸素を与えますが、赤ちゃんの場合は保育器内に酸素を供給することで赤ちゃんに負担なく酸素を簡単に供給することができます。
また、機種によっては児の呼吸状態にあった適切な酸素濃度を容易に得られるよう、酸素コントローラが装備されています。

透明なフードでできているため観察が十分にできる

保育器はフードが透明な樹脂でできており、赤ちゃんをおむつだけの状態で収容される観察しやすく、赤ちゃんの状態、異常の早期に発見できます。

光線療法などの治療ができます

保育器は赤ちゃんの保育環境を整えるだけでなく、光線療法のユニットをのせることができます。
また、駆動用バッテリーと酸素ボソべが搭載されているためそのまま運搬することができます。
その他、機種によっては体重を測ることができたり、X線カセッテトレーが収納されており、児を臥床台の上に載せたままX線撮影することができるものがあります。

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