妊娠中の花粉症対策
日本人の4人に一人が苦しんでいるといわれている花粉症。
代表的なスギ花粉症の有病率は全国で20%を超えると報告されています。
花粉症は増加傾向を示していて、近年では花粉症発症年齢の低下が問題となっています。
妊娠中は薬を思うように飲めないこともあり花粉の季節は花粉症の妊婦さんは辛い季節です。
花粉症とは
花粉症、医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」といい、植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。
花粉症は、植物の生息の差、開花時期の差により地域差があります。
花粉症を引き起こすアレルゲン
アレルゲンとなる花粉はスギやヒノキの他、日本では約60種類の植物の花粉に対してアレルギー症状を引き起こすことがわかっています。
日本人に多いアレルゲンとなる植物としては、ハンノキ(花期:1月〜4月)、スギ(花期:2月〜4月)、梅(花期:2月〜3月)、ヒノキ(花期:3月〜4月)、シラカバ(花期:4月〜6月)、コナラ(花期:4月〜5月)、栗(花期:5月〜7月)、ギシギシ(花期:5月〜8月)、カモガヤ(花期:5月〜6月)、ブタクサ(花期:8月〜10月)、よもぎ(花期:9月〜10月)、ススキ(花期:9月〜10月)、セイタカアワダチソウ(花期:10月〜11月)など。
花粉症の症状
- 鼻の症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど。
- 目の症状:目のかゆみ、流類、充血、目やに、目の違和感、目の痛み、目がかすむ、眩しいなど。
- 咽の症状:喉のかゆみ、喉の痛み、喉のイガイガ感、咳など。
- 皮膚の症状:痒み、かさつき、湿疹、発赤など。
- その他の症状:熱っぽさ、頭痛、頭重感、倦怠感、肩こりなど。
妊娠と花粉症
ヒトの体には外から入ってくる異物に対して排除しようとするシステムがあります。
妊娠したら花粉症になったという方もいるようですが、妊娠がというよりも抗原が一定量を超えてしまったことに加えて、妊娠によるホルモンの変化、自律神経の変化なそさまざな身体の変化により花粉症が発症したと考えてよいと思います。
さらに、妊娠すると花粉症が悪化すると耳にすることがありますが、一概にそうともいえず、中には妊娠中花粉症の症状がなかった、軽かったという妊婦さんもいます。
ただし、妊娠中は鼻粘膜が敏感になっているため花粉症の症状が強く出ることは考えられます。
花粉症で頻繁にくしゃみをしたり、鼻づまりで夜なかなか眠れないと胎児への影響を心配される方も多いようですが。
花粉症が直接、胎児に影響することはないと言われています。
ただし、できるだけ花粉症の症状を抑え快適な生活ができるよう早い時期から予防対策を講じる必要があります。
花粉症の症状があまりに辛い場合は、医師に相談しましょう。
妊娠中の花粉症対策
妊娠中は薬を思うように飲めないこともあり花粉症に対して予防対策を行うことが重要となります。
花粉症対策の基本は、アレルゲンとなる花粉にできるだけ接触しない、取り込まないことです。
そのためには次のような対策を取りましょう。
- 外出時は花粉症対策用のマスクやめがねを使用しましょう。
- 花粉情報に注意しましょう。
- 花粉飛散が多いときには必要のない外出は避けましょう。
- 花粉の飛散が多いときの外出時は花粉が付着しにくい素材の衣類を得れびましょう。
- 外から帰ったら玄関で上着に付着した花粉を払い落しましょう。
- 外から帰ったら顔を洗ったり、うがいをおこないましょう。
- 花粉飛散の多いときには窓はできるだけ開けないように注意をしましょう。
- 規則正しい生活に心がけ、睡眠不足や偏った食生活にならないよう心がけましょう。
- 症状が強い場合は医師に相談しましょう。
花粉症の症状は薬を用いてもなかなか抑えることは難しいものです。
昨年まで花粉症でなかった方でも今年は花粉症になることもあります。
花粉症の予防のためにも日ごろからストレスをためない、十分な睡眠や休息をとるようにしましょう。
体調の管理に加え、産婦人科の医師、耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。