妊婦健康診査の内容とは?
妊婦健康診査で毎回必ず行われるものは、体重測定、尿検査、血圧測定、浮腫検査、腹囲・子宮底長、問診などが行われ、その結果が母子健康手帳に記載されます。
体重測定
妊娠中の肥満は、妊娠高血圧症候群などの合併症を原因になったり、難産を招く恐れがあります。
妊娠中の体重増加は、非妊時の体重・BMIによって決定されます。
下記の式に体重と身長を入れ計算し、体重増加の判断の目安にしてください。
妊娠前の体重( kg)÷(身長〔 m〕×身長〔 m〕)=BMI
【評価基準】
※1週間に500g以上の体重増加は浮腫の可能性がありますので注意が必要です。
体重は大切な情報の1つですから少なく申告することは避けてください。
- やせ形(BMIが18未満):10~12kg増
- 標準形(BMIが18~24):7~10kg増
- 肥満形(BMIが25以上):5~7kg増
血圧測定
高血圧は妊娠高血圧症候群の徴候の1つで、早期に発見することで治療や管理することがで、母体や胎児への影響を少なくすることができます。
妊娠高血圧症候群は、以前妊娠中毒症と呼ばれていたもので、
定義は「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧が見られる場合」で、血圧により重症と軽症に分類されます。
軽症:収縮期血圧が140㎜Hg~160㎜Hg未満、拡張期血圧が90㎜Hg~110 mmHg未満
重症:収縮期血圧が160㎜Hg、拡張期血圧が110 ㎜Hg以上
尿検査
妊娠健康診査での尿検査は、主に妊娠高血圧症候群と妊娠糖尿病の早期発見のために、尿蛋白、尿糖が調べられます。
ただし、妊娠中は尿糖は出やすく、尿蛋白も睡眠不足や疲れでも出ることがありますから、一度出たからといって妊娠高血圧症候群や糖尿病と診断されることはありません。
続けて2回以上(+)と出た場合に詳しい検査が行われます。
浮腫検査
浮腫はむくみのことで、妊娠高血圧症候群の徴候の1つであるため、すねを指で押して、へこみが戻るかどうかでチェックされます。
妊娠中は体に水分がたまりやすく、軽いむくみが出ることがあります。体重のチェックを行い体重増加に注意してください。
腹囲・子宮底長の測定
腹囲は、ベットに横になり、おなかの一番高くなっている箇所、子宮底長は、恥骨から子宮の上方までの長さをメジャーで測定します。
腹囲も子宮底長も赤ちゃんの成長の目安となります。
胎児の成長は超音波検査によってより正確に計測されるため、病院によっては腹囲や子宮底長を測定しない病院もあります。