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子宮内胎児発育遅延(IUGR)

子宮内胎児発育遅延(IUGR)とは妊娠中に発症した胎児発育を抑制する因子によって、在胎週数相当より胎児の発育が遅延した病態のことで、全妊娠の約8~10%を占めます。
妊娠週数相当の発育より胎児の推定体重が10パーセントタイル未満、もしくは-1.5SD未満の児をさします。

子宮内胎児発育遅延(IUGR)の原因

  • 胎児発育不全(10~20%):染色体異常、子宮内感染、先天奇形、催奇形因子など。
  • 混合した母児への影響(5~10%):母体高度栄養失調、薬物、喫煙、アルコールなど。
  • 母体疾患と胎盤機能不全(30~35%):高血圧、妊娠高血圧症候群、腎疾患、高度貧血、胎盤梗塞、多胎妊娠など。
  • 原因不明(40%)

子宮内発育遅延の増悪に影響をあたえる因子

子宮内胎児発育遅延(IUGR)の増悪に影響をあたえる因子としては、栄養不足(とくに蛋白質、ビタミン類、ミネラルの不足)や過重な労働などがあります。

子宮内胎児発育遅延(IUGR)の児への影響

子宮内胎児発育遅延(IUGR)の児への影響としては、胎児ジストレス、新生児仮死を起こしやすく、胎便吸引症候群、新生児低血糖、出生後の低体温、肺出血などが新生児に合併しやすいことなどがあげられます。

子宮内胎児発育遅延(IUGR)の診断

IUGRを診断する際には、正確な妊娠週数の把握が必須条件となるため、妊娠初期に超音波検査にて計測した胎児頭殿長(CRL)や胎児大横径(BPD)から算出した妊娠週数と最終月経から算出した妊娠週数を比較し、妊娠週数の再確認を行います。

  • 子宮底長が在胎週数に比べて小さい。
  • 超音波断層法により算出された胎児推定体重が在胎週数別出生体重曲線の10パーセントタイル以下です。
  • 羊水中のクレアチニン値が妊娠37週以降で1.5㎎/dl以下。
  • 母体血中のhPL値が低い。

子宮内胎児発育遅延(IUGR)の治療

妊娠初期、または妊娠初期を過ぎても、つわり症状が増悪し、嘔吐を頻回に繰り返し、脱水、飢餓状態になり乏尿、体温上昇、代謝性アルカローシス、代謝性アシドーシスなどの多彩な症状がみられるときに妊娠悪阻と診断されます。

妊娠悪阻の治療

胎児の状態と胎内環境を観察しながら妊娠期間を延長させ、適切な時期に分娩を行います。

  • 原因の除去:母体の基礎疾患の治療
  • 安静:子宮胎盤循環血液量の増加、胎児の低酸素改善
  • 薬物療法:子宮収縮抑制剤の投与。
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