羊水過少症

羊水量が異常に少ないものと定義されます。
一般的には、羊水量が100ml以下の症例を羊水過少とされることが多いようです。

羊水過少症の原因

羊水過少症の原因は原因がはっきりとしないものが多く、そのほか胎児側要因と胎盤性要因、膜性要因として以下のようなものがあげられます。

胎児側要因

• 腎尿路系異常
• 子宮内胎児発育遅延
• 多胎妊娠：双胎間輸血症候群
• 腎以外の奇形

胎盤性要因

• 胎盤機能不全
• 不育症

膜性要因

• 前期破水
• 絨毛膜羊膜炎

羊水過少症の症状

妊娠週数に比べて子宮が小さい。

羊水過少症の診断

超音波検査法による、羊水ポケットで1㎝以下、羊水深度で3㎝未満、AFIで5㎝未満が羊少過多と診断されます。
※AFI…子宮腔を4分画に分け、それぞれの最大深度の合計をいいます。

羊水過少症の治療

原因がわかれば、それに応じた治療が行われますが、羊水過少症にたいする治療は多くの場合には特別な治療を必要しない、もしくは治療法がありません。
治療法の一つとして分娩時の胎児徐脈に対する代用羊水補充療法があり、これは羊水腔を確保することで、臍帯圧迫を防ぐことを目的としています。

羊水過少症の影響

羊水過少症の胎児は、子宮内胎児発育遅延（IUGR）や奇形、染色体異常を合併していることが多く、IUGRを伴う場合では、胎児機能不全（胎児ジストレス）や羊水混濁が発生しやすいとされます。
妊娠初期から合併するものは、児の予後は悪くなります。