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前置胎盤

前置胎盤とは胎盤の一部または大部分が子宮の下部に付着し、内子宮口を覆うものを前置胎盤といいます。

常前置胎盤の分類

前置胎盤の分類は、内子宮口をおおう程度により次の3つに分類されます。す。

  • 全前置胎盤:胎盤が内子宮口を完全におおうもの
  • 一部前置胎盤:胎盤が内子宮口の一部をおおうもの
  • 妊娠高血圧症候群
  • 辺縁前置胎盤:胎盤の下縁が内子宮口に達するもの

前置胎盤の発生頻度

前置胎盤の発生頻度は、全分娩の0.5~1.0%で多産婦ほど多く、再発率は4~8%です。
部分前置胎盤が最も多く、次いで辺縁前置胎盤が多い。

前置胎盤のリスク要因

前置胎盤の原因は正確には解明されていませんが次のものが挙げられます。
過度な子宮内掻爬、子宮筋腫、子宮奇形、子宮内膜炎などによる子宮内膜の病変、多胎妊娠、胎盤の形態異常、帝王切開、人工妊娠中絶、筋腫核出術などの他、高齢や喫煙などがあります。

前置胎盤の症状

子宮下部の伸展、子宮口の開大により、子宮胎盤血管が断裂して、突発性の無痛性外出血が反復、持続しますが、少量ですぐに止血することが多く、これを警告出血といいます。 妊娠後期になるほど、子宮口が開大しやすくなるため、出血量は増えます。
陣痛が始まり、子宮口は強く開大すると剥離面積が大きくなるため、出血量は増加します。

前置胎盤の診断

前置胎盤のスクリーニングには経腹法が用いられ、診断には経膣法が用いられます。
すなわち、経腹法で出血を主症状とする疾患の鑑別がおこなわれ、経膣法により胎盤の位置の確認が行われます。

前置胎盤の管理

前置胎盤では、妊娠中だけでなく手術中にも多量出血が発生しやすく、母児ともに危険が及ぶことあが多いため、出血を認めたものは全例入院管理が原則です。
可能であれば、分娩時の出血に備えて自己血の保存をおこないます。
胎児の娩出は、辺縁前置胎盤以外は帝王切開での分娩となります。
帝王切開を行う時期は、妊娠37週以降を目標とされますが、出血量が多量で止血が困難な場合は妊娠時期を問わず帝王切開がおこなわれます。
妊娠週数が増すに従い、止血が困難となるため、妊娠34週以降は速やかに帝王切開を行わざるをえないことが多い。
帝王切開中に止血が困難な場合、単純子宮全摘出術を行うこともあります。

胎盤の上方移動

妊娠中期に経膣超音波検査で、胎盤の位置を観察すると胎盤下縁が内子宮口にかかっており、前置胎盤を思わせる所見がみられいます。
しかし、妊娠経過とともに子宮下部は伸展するため、妊娠後期にはあたかも胎盤が上方に移動したように見えます。これを胎盤の上方移動といいます。
このことから、妊娠28週未満の場合、必ずしも確定診断とはいえません。

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