子癇(しかん)
子癇(しかん)とは妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起こし、てんかんや二次性痙攣が否定されるもの、発作の発症時期により、妊娠子癇、分娩子癇、産褥子癇に分けられます。
子癇の分類と頻度
- 妊娠子癇:38~53%
- 分娩子癇:18~36%
- 産褥子癇:11~44%
子癇発作
- 数日から数週間前から妊娠高血圧腎症が存在し、頭痛・眼華閃発(眼の前がちかちかする)・上腹部痛・反射亢進などの前駆症状がみられます。
- 突然失神し、眼球上転、顔面痙攣、顔面蒼白となる。口元から痙攣発作が始まり、数秒から十数続きます。
- 全身性の強直性痙攣がおこり、呼吸が停止する。この状態が15~20秒続きます。
- 間代性痙攣(筋肉の緊張と弛緩を繰り返すけいれん)に移行する。眼瞼、口を激しく開閉するため咬傷を生じやすい。
- 痙攣は治まり、呼吸も回復し、いびき状呼吸、昏睡状態に移行する。
- 覚醒する。発作中や発作直前の状態は記憶していない。
子癇発作の原因
原因は不明ですが、子癇発作は脳血管の痙攣と脳浮腫によって発症すると考えられています。
昏睡状態のまま発作が重積した場合は、意識が回復しないまま死に至ることがあります。
子癇の管理と処置
子癇の管理では、発作予防あるいは再発作の防止が重要です。
産褥子癇は、重症の妊娠高血圧症腎症の分娩後72時間以内に発症することが多いとされています。
このため、とくに帝王切開術後24時間は、慎重な管理が行われ、発作の予防のために硫酸マグネシウムなどが投与されます。
子癇発作時の対応
発作が起こった場合、母体の救命処置を先行しますが、胎児の管理も行われます。
母体の症状が落ち着いたら、急速遂娩にて児を娩出させます。
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