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子宮筋腫合併妊娠

子宮筋腫は、一般的に筋腫が大きいほど切迫早産、胎盤位置異常、弛緩出血、子宮復古不全などが多いといわれています。

子宮筋腫とは

子宮筋腫は性成熟期の女性に最も多くみられる良性の良性の腫瘍で30歳代以降の女性の3~4人に1人は筋腫があるともいわれ、35歳を過ぎると増加し、全妊娠の0.5~5%に合併するといわれています。
筋腫は1個、2~3個のこともありますが、なかにはかなりの数の筋腫ができることもあり、子宮筋腫は筋腫ができる場所によって全体の約70%を占める筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫の3つに分けられます。
症状は筋腫のある部位、大きさや個数などによって異なりますが、月経痛、過多月経、過長月経、腹部腫瘤触知、貧血などの他、子宮筋腫が大きくなると周囲臓器を圧迫し、頻尿、排尿困難、便秘、腰痛などの症状も起こってきます。
内診と超音波検査、必要によりMRI検査などの所見を併せて診断が行われ、症状がなく、手拳大以下のものであれば経過がみられ、サイズの大きいもの、徐々に筋腫が増大するもの、痛みや貧血などの症状を伴うものは治療が必要となり手術療法、薬物療法などが行われます。

子宮筋腫が妊娠に与える影響

子宮筋腫はエストロゲン依存性腫瘍と考えられるため、妊娠中は筋腫核が増大すると一般的にいわれています。
子宮筋腫の発生場所、数、大きさによって、症状、妊娠との関係は異なります。
多くは、筋腫が大きいほど切迫早産、胎盤位置異常、弛緩出血などが多いといわれています。
子宮筋腫は発育方向によって、粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下筋腫に分類されますが、妊娠に最も影響が大きいものは筋層筋腫です。
胎盤直下に子宮筋腫がある場合には、筋腫が胎盤への血流を妨げるため、流産、早産、常位胎盤早期剥離などが起こりやすいといえます。
子宮筋腫が多数存在する場合には、筋腫が子宮腔を変形させ、前期破水や胎児の胎位や胎勢の異常をきたしやすいといえます。

子宮筋腫が分娩に与える影響

子宮筋腫の発生場所、数、大きさによって分娩に与える影響は異なりますが、筋腫が大きいほど子宮復古不全などが多いといわれています。
子宮筋腫のなかで分娩に影響が大きいものは筋層筋腫です。
筋腫が胎児の産道通過を妨げたり、子宮収縮を妨げたりする場合は、産道通過障害、微弱陣痛、分娩時出血などが起こります。

筋腫合併妊娠の治療方針響

妊娠中は、多くの場合そのまま注意深く経過観察し、筋腫核出術が行われるのは有茎性、漿膜下の筋腫で、適応があれば妊娠16~18週頃が適当とされています。
しかし激しい疼痛があたり、巨大な筋腫の場合は、それぞれ検討の上対処することになります。
分娩方法については、とくに症状が無く経過した場合は経膣分娩が原則です。
児頭より下方にある筋腫などでは産道の通過傷害が起きるため、帝王切開の適応となります。また、子宮筋腫を取り除く手術を行った後に経膣分娩を試みる場合は、子宮破裂、微弱陣痛、出血などに注意し、厳重な管理が必要になります。
筋腫があった場所、個数、子宮内膜の損傷など考慮し、経膣分娩か帝王切開か判断されます。このように筋腫の部位、大きさによって管理・分娩方法が変わるので、妊娠初期から定期的な検診を受け、十分な管理を受けることが大切です。
筋腫があり、帝王切開分娩を選択した場合、筋腫核出は帝王切開と同時にはできません。

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