妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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子宮奇形合併妊娠

子宮は妊娠の初期に形成され、この時期に形成過程で何らかの問題がおこり発生し、不妊症や不育症、流早産、胎児の位置異常などの原因となります。

子宮奇形とは

発生の途中で左右のミューラー管が融合不全を起こすことで生じ、その程度により種々の奇形が生じます。この中で、中隔子宮は頻度が高く、生児獲得率が低いといわれていますが、非妊娠時の形成手術により妊娠予後は著しく改善されます。
子宮奇形全体の頻度報告は、全女性の0.1~1%と考えられています。
妊娠すると流産、早産を併発しやすい、胎児の位置異常を合併することが多くなります。

子宮奇形と妊娠

流早産の原因としては、子宮の形態異常により子宮腔の狭小化が主な原因と考えられています。
その他、中隔子宮では中隔の血流分布が少ないため、この部に胎盤が付着することによって流早産を引きこす割合が正常子宮に比べるて高いため、子宮内圧に対し頚管が開大しやすく、頚管無力症となりやすいなどの機序が考えられています。
臨床的には、流早産のほか前期破水や胎児位置異常、遷延分娩になりやすく、産科手術へ移行する頻度は高くなります。また、、胎盤の付着部位により、胎児子宮内発育遅延をおこすこともあります。

子宮奇形の検査と診断

流早産を繰り返す症例は子宮奇形が疑われます。
非妊時に子宮卵管造影、エコー検査、MRI、子宮鏡、腹壁鏡などを組み合わせて診断します。
膣中隔や双頸子宮は視診、クスコー診で診断できますが、通常内診だけでの診断は難しい場合が多いようです。
非妊時に診断されていないものでは、妊娠初期にはエコー検査で診断されることもありますが、子宮筋腫や卵管間質部妊娠などとの鑑別が必要となります。

子宮奇形の治療と管理

子宮奇形合併の妊娠の場合、流早産に対する管理が最も大切です。
初期の流産を反復するものには、単角子宮、重複子宮を除き非妊時の子宮形成が有効となります。
また、早産の既往がある方には、厳重な切迫早産の管理を行い、定期的な胎児発育のチェックをおこなう必要があります。
分娩時は、頭位の場合は経膣分娩が可能で、分娩経過をみながら方針が決定されます。
骨盤位をはじめとする胎児の位置異常があれば、帝王切開がおこなわれます。また、子宮形成術の既往があれば帝王切開の適応となります。

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