妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠と虫垂炎

虫垂炎は合併消化器疾患のうちもっとも重要な疾患です。

虫垂炎とは

妊婦における発症頻度は1500~2000に1例だといわれています。
平均発症年齢は26歳と報告されており、妊婦と非妊婦での虫垂炎の発症年齢には差は認められません。

妊娠と虫垂炎

虫垂炎が妊娠にいかなる影響を及ぼすかは明らかではありませんが、早期診断と迅速な外科的処置が行われないと胎児や母体の死亡率が増加します。
妊娠中は増大する子宮によって虫垂は上方に移動しており、妊娠初期では臍右下の1/4の部位に疼痛を認めますが、妊娠の進行に伴って疼痛の最強点が移動し、妊娠8ヶ月で腸骨上方約3㎝になります。
妊娠初期では約80%の患者さんで直腸や膣に圧痛が認められ、妊娠後半期には腹壁の筋肉が伸展されているため、より広範囲の疼痛が認められます。
疼痛は胎動によって増強されます。
虫垂炎は妊娠中絶の適応とはなりませんが、病状によっては母体胎児双方への影響は大きい。
妊娠中の急性虫垂炎の正診率は50~70%で妊娠後期の正診率30~40%と低いため、臨床的に診断がついた場合には虫垂切除が行われます。
妊娠時の虫垂炎の症状は吐気、嘔吐、便秘、下痢、尿路症状など正常妊娠にも認められることがある症状であるため診断が遅れることもあります。

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