妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠に伴う肝臓・胆のう・膵臓の変化

妊娠すると肝臓・胆のう・膵臓の変化します。

妊娠に伴う肝臓の変化

肝臓は妊娠後期には増大した子宮により横隔膜下、上後方に圧排されるため蝕知しにくくなりますが、その容積に変化はありません。
組織学的には、肝細胞や細胞核の腫大、核の形の不規則性、核細胞の増加、小葉中心部の軽度の脂肪蓄積などの変化がみられるものの基本的には非妊娠時にはほとんど変わりません。
肝血流量はほとんど不変であるのに対して心拍出量や循環血液量は増加するため、相対的に肝血流量は約35%減少し、その結果肝臓で代謝される諸物質のクリアランスは低下すると考えられます。

妊娠に伴う胆のうの変化

妊娠中はプロゲステロンの作用で胆嚢の収縮は抑制され、胆道も妊娠子宮により圧迫されるため胆汁排泄が遅延し、胆汁うっ帯が起こり胆汁は濃縮されます。そのうえコレステロール値が上昇するためコレステロール結石が起こりやすくなります。

妊娠に伴う膵臓の変化

妊娠中は膵液の分泌が増加し、リパーゼやトリプシン活性も上昇します。この結果、妊娠中に増加した中性脂肪がリパーゼにより分解され、生じた遊離脂肪酸により血管内皮障害が起こり、急性膵炎の一因となることがあります。
妊娠の膵内分泌機能に及ぼす影響は、とくに妊娠後期になると著しく、空腹時の低血糖と高脂血症、摂食後の高血糖と高インスリン血症が特徴です。これはインスリン拮抗ホルモンと母体のインスリン抵抗性の増大によるものと考えられています。
インスリン分泌の増加は、妊娠中に増加するhPL、プロラクチン、エストロゲン、プロゲステロンなどによるため、これらの変化は分娩後すみやかに非妊時の状態にもどります。ほか膵ポリペプチドは妊娠中に抵抗するといわれています。また、膵ランゲスハンス島ではインスリンを分泌するB細胞が肥大、過形成となりA細胞に対するB細胞の比率が増加することが知られています。

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