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妊娠と気管支喘息

気管支喘息は増加傾向にあります。

気管支喘息とは

気管支喘息とは、気道と肺の間の空気の通り道である気管支の粘膜にさまざまな刺激に対して起こる慢性の炎症により狭窄や過敏状態を引き起こし、気道閉塞による発作性の咳、喘鳴および呼吸困難を示す病気です。
炎症を引き起こす刺激としては、気道のウイルス感染、気候の変化、ストレス、過労、アスピリン(鎮痛解熱薬)などがあり、これらの刺激が引き金となり、気管支平滑筋の収縮や気管支粘膜の浮腫、気道粘液の分泌物の増加などにより気道が狭くなり可逆性の気道狭窄がおこります。
気管支喘息は、気道炎症、気道過敏性亢進、可逆性の気道狭窄が特徴的な病態です。
治療は、気管支の炎症を起こして気管支を収縮させる原因やアレルゲンを除去すること、薬物療法により気管支の炎症を抑えて気管支を拡張し、気流制限と過敏性を改善します。
妊婦における気管支喘息合併の頻度は0.4~0.7%といわれています。

妊娠と喘息

妊婦の約3%が喘息患者だといわれます。
妊娠中の喘息の経過に関しては、約1/3が悪化、1/3が軽快、1/3が不変とされ、増悪例では妊娠29~36週で悪化するといわれています。
妊娠前の重症度との関係では、重症例の4割は妊娠により悪化するとされ、既往妊娠のある場合は2回目の妊娠経過は前回同様の経過をとるといわれます。
また、分娩時の発作は約10%に認められ、投薬の有無による差はないとされています。
周産期の予後では周産期死亡率は従来約2倍とされ、また低出生体重児、早産率も高率であるといわれていましたが、最近では重症例でもステロイド投与により正常妊娠と比べて周産期予後に大きな差はないとされています。
妊娠中、気管支喘息は継続して治療する必要があります。喘息の治療薬には発作を抑える薬と発作を予防する薬があります。
症状がなくても念のため吸入薬など常時携帯するようにしましょう。
妊娠中の薬物が胎児に悪い影響を与えることを心配して抗喘息薬の使用を減らし、コントロールが悪くなって喘息状態が悪化することがあります。
抗喘息薬のなかで妊娠中比較的安全に使用できる薬剤には、吸入薬のインタール、吸入ステロイド薬、吸入β刺激薬、経口薬ではテオフィリン、ステロイド薬などがありますが、妊娠中の有益性が上回ると考えられる場合においてのみ投与するべきですが、妊娠を知らずに使用していたとしても危険性は少ないと考えられています。
妊娠中最も大事なことは、喘息発作を起こさないことです。発作を起こすと酸素が十分に行き渡らなくなり、それが最も胎児にダメージを与えるといわれています。

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