妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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胎児の呼吸器系の発生と発達

胎児の呼吸器系の発生および発達は以下のようになります。

妊娠6週の胎児の呼吸器系

妊娠6週ころまでに内胚葉の前腸の腹側壁から肺芽が出現します。肺芽は左右に分岐し、さらにそれぞれ2つ、3つに分葉し左右の肺葉、気管支を形成していきます。
また、食道気管支中隔により気管支と前腸とが分離されます。

妊娠7~16週(腺様期)の胎児の呼吸器系

その後、分岐が続き妊娠16週ころには終末細気管支まで作られます。
呼吸細気管支や肺胞はまだ存在しません。また、この時期に横隔膜が発生し、胸腔と腹腔との分離が起こります。

妊娠16~24週(管腔期)の胎児の呼吸器系

各終末細気管支が2本またはそれ以上の呼吸細気管支に分かれ、さらに呼吸細気管支が3~6肺胞管に分かれます。
気管支原基内から内腔が出現し、毛細血管も発達してガス交換の準備が開始されます。
肺の細胞が型とⅡ型に分化し始めます。

妊娠28週以降(終末嚢胞期)の胎児の呼吸器系

この時期になると、肺胞はほぼ完成し、毛細血管のネットワークが発達し、肺胞の表面に密着するようになり、構造上および機能上はガス交換が可能となります。しかし、実際には妊娠30週以前では肺サーファクタントの産生が不十分であり、肺胞壁も厚いためガス交換が困難な場合が多く、この時期に出生した新生児においては、肺胞虚脱をおこし人工呼吸器における呼吸管理が必要となる可能性が高くなります。

妊娠36週以降(肺胞期)の胎児の呼吸器系

妊娠36週以降は気管支先端の細葉の細胞が扁平化して肺胞が発達していきます。
機能的には肺サーファクタント産生が重要ですが、呼吸器の成熟には胎内で行われる呼吸様運動も重要です。呼吸様運動は羊水の吸引を起こし、この運動は肺の発育を刺激し、呼吸筋を準備するのに重要です。
出生時には肺胞数は成人の1/6程度で、生後も肺は発育し、呼吸細気管支と肺胞の数が生後10年間形成され続けます。

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