受精～命の誕生の瞬間

命の誕生は精子と卵子が出会い、受精した瞬間から始まります。
2～4憶個の精子が1個の卵子を目指し、膣→子宮→卵管へと進み、選ばれた精子が卵子に進入し、受精卵となることから命が始まります。

卵子の成熟

XX性染色体をもつ卵は胎生期に600～700万個作られ、その後は減少し続け出生時に100～200万、思春期に20～30万個、成熟女性では約1万個程度になり、新たにつくられることはなく排卵のたびに減少していきます。
思春期になると毎月15～20個の原始卵胞が成熟を始め、月経周期ごとに数個の卵胞が成熟し、このなかで通常各月経周期に1個の卵胞が完全に成熟し、排卵に至り、放出された卵子を卵管采から卵管内に誘導されます。
排卵された卵子の寿命は約24時間で、この短い間に精子に出会わなければ新しい命の誕生のチャンスはないということになります。

精子の成熟

XY染色体をもつ原始生殖細胞は分化せずに休止期に入り、思春期になると分化が再開して精子細胞が形成されます。
精子は、精巣のでつくられ成熟し、刺激などにより射精され、子宮腔内から卵管を移動する過程で受精能力を獲得していきますます。
1回の射精で約2～4億個の精子が排出され、膣→子宮腔→卵管→卵管膨大部へと進む間に200～60個まで減少し、さらに約60個の精子が卵子の周囲に集合します。その中の1個が卵子と出会います。
精子は、数日間生存しますが受精能を有するのは24～72時間程度といわれています。

受精

射精後、卵管に到達した精子と排卵後、卵管采に取り込まれた卵子が卵管膨大部で受精します。
卵子の周りには放線冠とよばれる細胞が取り囲み、また、卵子の外側は透明帯とよばれる薄い膜で覆われています。
精子は卵管膨大部へ向かう間に受精能を獲得し、卵子を取り囲む透明体を結合可能な状態になっています。1個の精子が外側を覆っている放線冠を潜り抜け卵子に近づくと頭部の先体に含まれる酵素が放出され、この酵素よって精子は透明体を溶かし、通過することができます。この生理反応を「先体反応」といいます。
透明体を通過した精子の核は、卵核に接近し、やがて両者が融合して受精が完了します。
卵子の中に1個の精子が進入すると卵子の表層粒反応が起こり、透明体が変性することで他の精子はシャットアウトされることで多精子受精を防ぐ機構が働きます。