羊水とは
羊水は羊水腔を満たし、胎児を取り巻いている液体で胎児を衝撃や圧迫から守り、感染からの防御などのほか胎児にとっての環境を整える機能を持っています。
羊水の生成
羊水は、主に胎児の尿、肺胞から分泌される肺胞液、母体血液からの浸出より生産されています。
約99%は水分からなり、弱アルカリ性の液体です。
妊娠初期には無色透明ですが、妊娠後期には胎児の皮脂や皮膚からの剥離物、胎児の産毛などがまじり白濁がみられます。
羊水量は妊娠28週末にピークをむかえ約800mlとなり、その後徐々に減少して妊娠後期では約500ml以下になります。
羊水の吸収
羊水の吸収は、羊膜で行われるほか、胎児が飲み込んだ羊水は小腸から吸収され胎児の血液循環に取り込まれ、その後、腎臓から再度羊水腔内に排出され、羊水の一部となります。
羊水の役割
- 胎児の発育に関与する物質や増殖因子が含まれています。
- 胎児は呼吸様運動で、羊水の肺への取り込みと排出を繰り返しています。
- 外力による衝撃をやわらげるクッションの役割。
- 抗菌作用があり胎児を感染から守っている
- 胎児が自由に運動できる空間を確保している。
- 胎児の体温を一定範囲内に保っている。
- 肺サーファクタント産生が亢進することにより肺成熟が促されます。
- 分娩時には胎胞を形成して子宮頚管部の開大を促進させる。
- 陣痛による胎児、臍帯、胎盤などを圧迫から守る。
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