妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

胎盤とは

胎盤は胎児の生命維持の役割を果たしている重要な臓器です。
胎盤は胎児と母体間の栄養や老廃物の輸送やガス交換を行っているだけでなく、胎盤からは妊娠継続に必要なホルモンなどが産生されています。

胎盤の形成

着床した受精卵の栄養膜細胞は分裂・増殖を繰り返し、栄養細胞から根のような絨毛突起を形成・増殖し、やがて絨毛突起の中に胎児側につながる血管が形成されます。
一方、受精卵が着床した基底脱落膜では侵入した絨毛の周囲に母体の血液が入り込み絨毛間腔が形成され、絨毛間腔には動脈から母体の血液が流入します。
絨毛は絨毛間腔の中で母体血中に浮遊しており、絨毛上皮を介して母体血とガスや栄養、老廃物などの物質交換が行われます。
妊娠7週頃から始まった胎盤の形成は、妊娠16週までにほぼ完成し、胎児と母体間の栄養、老廃物の輸送やガス交換を行っているだけでなく、エストロゲン・プロゲステロン・hCGなどの種々のホルモンなどを産生することにより娠維持や胎児の発育に重要な役割を果たします。その後妊娠10か月頃まで増大し続け、妊娠後期には重さが約500gになります。

胎盤の構造

胎盤は、床脱落膜と繁生絨毛膜によって形成される円形または楕円形の盤状で妊娠後期の大きさは直径15~20㎝、重さは約500gとなります。
胎盤は、羊膜腔に向かう面を胎児面といい、子宮壁に付着する面を母体面といいます。
胎児面は、羊膜におおわれ、臍帯が付着し、臍帯付着部より臍帯動脈と臍帯静脈が羊膜下にわかれています。
母体面は、15~20個の大小不同の胎盤分葉に分かれ、石垣状になっています。
胎盤は胎児の絨毛が母体血のプールにつかっているような構造になっているため、母体血と胎児血は原則としては混ざっていません。

胎盤の役割

胎盤は、臍帯を通じて胎児―母体間の栄養・代謝物質の輸送やガス交換を行う胎児の生命維持の役割を果たしています。

  1. 母体側から酸素が胎児へ供給され、胎児側から二酸化炭素が母体へ戻されます。
  2. 母胎からグルコースやアミノ酸などの栄養を供給され、胎児からは老廃物が母体へ運ばれ処理されます。
  3. 胎盤からはhCG、hPL、エストロゲン、プロゲステロンなどが産生され、妊娠の維持、胎児の発育、母胎の変化、分娩の準備に作用しています。
スポンサーリンク