妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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妊娠中のエネルギー摂取基準

エネルギーとは、命の維持や生活活動に必要不可欠なもので、kcal(キロカロリー)の単位で表され、一般的に「キロ」を省き「カロリー」といわれることがあります。
ヒトはエネルギーを食物中のたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素から得、これらの栄養素が体内でビタミン・ミネラルなどの助けによってエネルギーに変わり、活動の原動力となります。
熱量素が体内で燃焼した場合に発生するエネルギー量は、炭水化物1g当たり4kcal、脂質1g当たり9kcal、たんぱく質1g当たり4kcal です。
※ただし、炭水化物、脂質、たんぱく質の生理的燃焼値は実際には食品の種類によって多少異なることから日本食品標準成分表では食品ごとに個々のエネルギー換算係数を定めています。

妊娠期のエネルギー

妊娠期には母体の健康の維持増進のほか、胎児の発育を考慮する必要があり、食事摂取基準も一般成人女性の値に妊婦として付加量が示されています。
妊娠による基礎代謝の亢進、エネルギーの蓄積のために妊娠初期には50kcal、妊娠中期には250kcal、妊娠後期には450kcalの付加が必要とされています。
胎児の主な栄養源は、ブドウ糖とアミノ酸で、ブドウ糖は胎児における基本的なエネルギーの産生と維持をおこない、脂肪組織においてグリコーゲンとして蓄積され、蛋白の合成にも関与しています。

妊娠期の母体の変化とエネルギー摂取

妊娠期においては酸素消費量が増加し、基礎代謝量が増加すると同時に母体の脂肪蓄積が顕著となり、循環血液量の増加などの変化にくわえ、つわりや食欲の亢進などさまざまな変化が起こります。
母体の健康と胎児の良好な発育のために十分なエネルギー摂取が必要とされますが、過剰なエネルギー摂取による急激な体重増加は妊娠高血圧症候群などのリスクとなります。
その反面、過度の食事制限は体重増加が不足し、胎児の発育に影響を及ぼすため、妊娠期においてエネルギー摂取、体重コントロールを行うことが重要です。

妊娠期のエネルギー付加量

食事摂取基準によると、妊娠期に必要なエネルギー量は、初期で+50kcal、中期で+250kcal、後期で+450kcalとなっています。ま
た授乳期には母乳産生のためのエネルギー量のため、+350kcalが必要とされています。

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