妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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X線骨盤計測

X線骨盤計測の目的は骨盤の大きさと同時に児頭の大きさを計測し児頭骨盤不均衡(CPD)を診断し安全な分娩方法を選択することができます。

骨盤計測とは

児頭が骨盤通過可能か否かは児頭と骨盤の相互関係により診断され、骨盤計測は狭骨盤やCPD を診断し、経腟分娩可能か否かを選択し、分娩の方針を決定するのに有用な検査方法です。
骨盤計測は分娩の3要素の1つである産道の骨産道についてその状態を知るために行なわれる方法で、骨盤計測法には、骨盤外計測法や骨盤内計測法、 Seitz法、X線骨盤計測、超音波診断法などがあり、研究段階だはありますがCT、MRIなども用いられています。

X線骨盤計測とは

X線骨盤計測とは、X線によって骨盤の大きさと同時に児頭の大きさを計測するもので入口面撮影法(Martius法)、側面撮影法(Guthman法)が一般的に使用されています。
X線骨盤計測は、妊婦さんと胎児が放射線被爆を受けるため、必要最小限の症例におこない、無用な検査は避けなければなりません。

マルチウス法(入口面撮影法)とは

マルチウス法とは、骨盤入口面の形、大きさを診断するためには骨盤入口をフィルムと平行にして撮影する方法で骨盤入口部の横径、前後径(縦径)、骨盤入口部の形状、骨重積の程度などが評価できます。

妊娠中の耐糖能スクリーニング検査

グースマン法とは、妊婦さんを側臥位にして骨盤縦断面を撮影する方法で骨盤軸に沿って骨盤のすべての前後径が計測可能となり、さらには児頭の下降度、胎児の回旋・胎勢の診断に役立ち、骨産道の各段階における前後径(縦径)、仙骨と恥骨の形態、児頭の進入状況などを評価できます。

X線骨盤計測の適応

X線骨盤計測の適応は、なんらかのかたちで児頭骨盤不均衡(CPD)が疑われる症例に限られます。以下のような場合には、児頭骨盤不均衡を疑い、検査がおこなわれます。

  1. 母体の身長が150㎝以下の場合。
  2. 超音波断層像などで巨大児が疑われる場合。
  3. 既往症や体型により骨盤の変形が疑われる場合
  4. 既往分娩に遷延分娩、吸引分娩、鉗子分娩、帝王切開などがあり、その原因として児頭骨盤不均衡が疑われる場合。
  5. 初産婦で妊娠後期になっても児頭が骨盤に嵌入・固定しない場合、またはザイツ法で陽性の場合。
  6. 陣痛開始前後長時間にわたり児頭が下降しない場合。
  7. 骨盤位分娩などの場合

児頭骨盤不均衡(CPD)

児頭骨盤不均衡の定義は、児頭が母体骨盤より大きいため、児頭と母体骨盤の間の大きさに不均衡があり、整調な陣痛にもかかわらず児頭が骨盤入口部に固定しない、または骨盤が狭くて障害となっている部位より下に児頭が下降せず分娩が進行しない状態をいいます。
狭骨盤、骨盤内腫瘍、軟産道強靭、巨大児水頭症、重複奇形、胎位胎勢の異常、応形機能不全、過短臍帯、臍帯巻絡、前置胎盤などが明らかな場合はそれぞれの診断名を用います。

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