妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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トキソプラズマ検査

トキソプラズマ症とは、トキソプラズマ原虫という単細胞の寄生虫が起こす人畜共通感染症です。
正常な免疫の機能を持っていれば感染してもほとんどの場合は症状はありません。
免疫機能の低下している人が感染した場合は、感染部位によって様々な症状が現れます。脳のトキソプラズマ症(脳炎)になると半身の脱力感、言語障害、頭痛、錯乱、痙攣発作などが現れます。急性散在性トキソプラズマ症では、発疹、高熱、悪寒、呼吸困難、疲労などが現れ、髄膜脳炎、肝炎、肺炎、心筋炎を起こす人もいると言われています。

妊娠とトキソプラズマ症

母親が加熱処理の不十分な肉(馬刺、牛刺、鳥刺、レバ刺、鹿刺、レアステーキなど)に生存するオーシスト(虫卵)を経口的に初感染と胎盤を通して胎児に感染し、胎児に悪影響を与える可能性があります。胎児に感染するとトキソプラズマは血行的に胎盤に感染・増殖し、胎児の脳などの実質臓器に波及します流産や死産になったり、脳症や水頭症などになったりします。母体感染から胎内感染の成立までは数ヶ月を有するとされています。

先天性トキソプラズマ症

母親が感染した時期によって先天性トキソプラズマ症の発生率と重症度は異なります。
妊娠初期の胎児の感染は少ないですが重症であり、流早産または脳内石灰化、水頭症、網脈絡膜炎や黄疸、肝臓・脾臓の腫れ等が見られる場合があります。
妊娠後期では胎児の感染は多いのですが胎児の防御機能ができており、軽症となる症例が多く、不顕性感染という症例もあります。

トキソプラズマの検査

トキソプラズマを診断するための検査法には、抗原となる虫体を検出する方法と抗体を用いる免疫学的な方法とがあり、妊娠時の検査では母体の血清診断(抗体検査)が主におこなわれています。
トキソプラズマ抗体検査で抗体が検出され陽性であった場合は、トキソプラズマに感染しているため、特異的IgG、IgM抗体検査を行い感染時期の推定を行う詳しい検査がおこなわれます。
IgM抗体が陰性の場合には妊娠前の感染であることを意味し、初期感染ではありませんから心配はありません。
IgM抗体が陽性となった場合は、妊娠後の感染の可能性がありますがIgM抗体は感染後2年以上陽性であることもあるため、IgGアビディティ検査を行います。
IgGが高値の場合、感染後4ヶ月以上経過していると推定できます。

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