妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

更年期の不正性器出血

婦人科を受診する症状でもっとも多いものが不正出血で、不正性器出血とは、通常の月経以外の異常の出血のことをいいます。
不正性器出血は、出血の原因が機能性か器質性があり、不正性器出血のうち、妊娠、性器以外からの出血、原因となる疾患による出血を除外したものを機能性子宮出血といいます。機能性子宮出血は、不正性器出血の30%を占めます。

更年期の不正性器出血とは

更年期においては女性ホルモンの減少にともなって不正性器出血がみられることがあります。
更年期のすべての出血は更年期出血とよばれ、多くはホルモン環境のバランスの変化による機能性出血とされます。

更年期の不正性器出血の原因

更年期以降はがんをはじめさまざまな婦人科の腫瘍の好発年齢でもあり、器質的疾患に伴う出血がみられます。また、妊娠の可能性も否定できない年齢でもあり、更年期女性においてはあらゆ可能性が考えられます。
更年期に不正性器出血を来たす部位と主な疾患を引き起こす主な疾患には以下のようなものがあります。

更年期の不正性器出血を来たす部位と主な疾患

  • 外陰:外陰がん、外陰ジストロフィー、外陰潰瘍、外傷など。
  • 膣:膣がん、膣炎、子宮脱、異物、外傷など。
  • 子宮頚部:子宮頸がん、子宮膣部びらん、子宮頚管炎、子宮頚管ポリープ、筋腫分娩、外傷など。
  • 子宮体部:子宮内膜がん、子宮肉腫、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜炎、異物、縦毛性疾患、流産などの妊娠による出血など。
  • 卵巣など:ホルモン酸性卵巣腫瘍、卵管がん、卵管留血腫など。
  • 尿道:尿道カルンクル、尿道炎、尿道脱、膀胱炎、膀胱がんなど。
  • 肛門:痔核、肛門周囲炎、直腸がん、消化管出血など。
  • その他:血液凝固能異常出血、肝機能障害、薬物性など。

更年期の不正性器出血の検査と治療

不正性器出血があり、婦人科を受診すると問診、触診、内診、超音波検査などがが行われます。
不正性器出血の原因が何らかの疾患がある場合は、原因疾患の治療が行われます。
更年期には、卵巣機能が閉経に至るまで徐々に衰え、黄体機能不全による出血、月経周期に乱れに伴う月経前後での出血、子宮内膜増殖症による破綻出血などが考えられます。
出血が持続的で長引く場合はホルモン剤の投与が行われます。ホルモン剤には、エストロゲン剤と黄体ホルモン製剤の補充療法が行われます。ホルモン充填療法は更年期症状を改善するとともに、エストロゲン欠乏による骨粗鬆症、脂質異常などの予防にもつながります。

スポンサーリンク