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更年期の不眠

日本人の1日の平均睡眠時間は7時間50分で、日本人の睡眠時間は世界的に短く、また、日本人の睡眠時間は年々短くなっています。
平成19年に厚生労働省が行った調査では日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答しています。

睡眠について

睡眠は、脳や体を休ませる生命維持に必要なものです。
睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があり、一晩の睡眠の中でこのレム睡眠とノンレム睡眠が周期的に繰り返されています。
睡眠のメカニズムは大きく2つ分けて考えられています。
1つは、脳が疲労し、休息を必要として眠くなる。もう1つは、体内時計により夜になると眠くなる。この2つのメカニズムで眠くなり、体内時計の乱れにより不眠となります。

不眠症とは

不眠症とは、睡眠障害の1つで睡眠の開始と持続、一定した睡眠時間帯、あるいは眠りの質に繰り返し障害が認められ、眠る時間や機会が適当であるにもかかわらずこうした障害が繰り返し発生して、その結果何らかの昼間の弊害がもたらされる状態とされています。
不眠症には、なかなか寝つけない入眠困難、寝てもしばらくするとすぐに目が覚めてしまう中途覚醒、朝いつもより早く目覚めてしまう早朝覚醒、ぐっすり眠った感じがしない熟眠障害などの種類があります。
不眠の原因には、身体的原因、生理学的原因、心理学的原因、精神学的原因、薬理学的原因、その他があります。
不眠症は、中年以降で急激に増加し、40~50歳代でピークを示し、男性よりも女性に多いといわれています。

更年期の不眠

不眠を訴える人の割合は加齢に伴って高頻度となっていきますが、閉経後の女性においては特に著しいといわれています。
更年期に不眠が増加する原因としては、ほてりや発汗といった血管運動神経症状が夜間に起こることで睡眠が障害されるということが考えれています。また不安や抑うつなどの精神症状に伴って不眠となることもあります。
更年期のさまざまな心理社会的ストレスが原因となる場合もあれば、閉経前後でのエストロゲン産生の変化が直接中枢神経に影響しうつ病の発症に関わっている可能性もあると考えられています。その他に、睡眠呼吸障害が閉経後の女性に増加し、プロゲステロンやエストロゲンの産生減少が睡眠呼吸障害のリスクファクターとなっていると考えられています。
このように、更年期の不眠はさまざまな原因によって起こり、また加齢自体が不眠の原因となっているといえます。

更年期の不眠の治療

更年期におこる不眠に対する治療には、薬物療法、精神療法、睡眠衛生教育などがおこなわれます。
薬物療法には、睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬、ホルモン補充療法などがあります。
ストレスなどにより精神症状として出現している場合があり、カウンセリングなど精神療法が効果がある場合があります。
不眠の改善として、まず睡眠についての正しい知識を得ることが重要です。
加齢に伴い体内時計機構が脆弱となり、睡眠リズムが乱れやすくなるため、規則正しい生活が大切です。

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