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急性灰白髄炎(ポリオ)

急性灰白髄炎(ポリオ)は、エンテロウィルス属のポリオウィルスによる感染症で、ポリオウィルスはⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3種類があり、急性弛緩性麻痺を主症状とする急性運動中枢神経感染)症で、90%は不顕性感染(感染後も無症状で経過するもの)か不全型感染です。
かつては小児に多発したことから「小児まひ」とも呼ばれ、日本では50年前までは流行を繰り返していましたが、予防接種のがおこなわれるようになり急速に鎮静化されました。
わが国では1980年を最後に野生株ポリオウィルスによる麻痺患者の発生はなくなりました。

急性灰白髄炎(ポリオ)の感染経路

急性灰白髄炎(ポリオ)は、糞便中ウイルスが経口感染により侵入し、咽頭、小腸粘膜で増殖し、リンパ節を経由して血液に入り、中枢神経系に感染します。
急性期には飛沫感染もあります。

急性灰白髄炎(ポリオ)の潜伏期間

急性灰白髄炎(ポリオ)の潜伏期間は1~2週間で、糞便中のウィルス排泄は発症から1か月ほどかかります。

急性灰白髄炎(ポリオ)の症状と経過

急性灰白髄炎(ポリオ)の特徴的な症状としては、1~2日のかぜ症状(発熱、頭痛、咽頭痛、悪心、嘔吐など)のあと、解熱に相前後して急性弛緩性麻痺(AFP)が突然あらわれます。
麻痺部は痛みを伴うことが多く、麻痺は1~2日で回復に向かい、はじめの2か月間はすみやかに、以後1~2年徐々に回復します。完全に回復することもありますが、多少麻痺が残ることが多い。
90%は感染しても症状が現れない不顕性感染です。
4~8%は発汗、下痢・便秘・悪心・嘔吐などの胃腸症状、咽頭痛・咳などの呼吸器症状などかぜ症状にとどまる不全型です。
0.5~1%は非麻痺型で感染者の約0.1%が典型的な麻痺型をあらわすにすぎません。麻痺型患者の約50%が筋拘縮や運動障害などの永続的後遺症を残します。

急性灰白髄炎(ポリオ)の診断

確定診断は糞便からのウィルス分離によります。血清診断は補助的である。

急性灰白髄炎(ポリオ)の治療断

急性灰白髄炎(ポリオ)に対する特異的な治療はありません。
初期は安静にし、痛みには温湿布をおこなうなどの対症療法がおこなわれます。
急性期を過ぎたら、マッサージや機能訓練などのリハビリテーションを開始します。

急性灰白髄炎(ポリオ)の合併症

急性灰白髄炎(ポリオ)の発語障害、嚥下障害、呼吸障害がおこることもあります。

急性灰白髄炎(ポリオ)の予防

急性灰白髄炎(ポリオ)にはワクチンがあります。ポリオの予防接種(ワクチン)には、不活化ワクチンと生ワクチンの2種類があり、2012年8月までは生ワクチンのみでしたが、2012年9月からは生ワクチンに代わって不活化ワクチンを使用するようになりました。
不活化ポリオワクチンによる接種回数は、初回接種3回、追加接種1回の合計4回接種となります。

ママへ

口から感染しますから、外出から帰ったら手洗い、食事の前には必ず手洗いをおこなわせましょう。予防接種の効果は高いですから時期が来たら受けましょう。

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