妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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水痘(水ぼうそう)

通称「水ぼうそう」といわれ、生後6か月以内の赤ちゃんはママが水痘に罹った既往があれば移行抗体により感染しませんが、ママの抗体価が低い場合には発症することがあります。一度罹ると免疫を獲得しますが、免疫力が落ちたりすると再感染することもあります。
一般に軽症疾患ですが、免疫不全状態の患者では重症となり、脳炎を合併することもあります。学校保健安全法の規定に基づき、保育園、幼稚園、学校への登園・登校は治癒証明書をもらうまで禁止されています。

水痘の感染経路

水痘の感染経路は、飛沫感染と接触感染で非常に感染力が強い感染症です。

水痘の潜伏期間

水痘の潜伏期は14~21日程度(通常は14~16日)で、感染力は発疹のあらわれる1日前からすべての皮疹が痂皮となるまで期間で感染する可能性があります。

水痘の症状と経過

水痘は、軽い発熱とともに発疹が現れます。小さく赤い紅斑で、まもなく丘疹になり水疱ができます。水痘の内容は水のように澄んでおり、あとで多少にごります。大きさは粟粒大から小豆大、2~3日で乾燥し、黒褐色の痂皮をつくり、2週間前後で脱落します。瘢痕は残りませんが、爪でかい破ると化膿菌に感染して瘢痕を残します。
発疹は全身性で掻痒を伴い、通常は最初に頭皮、次いで体幹、四肢に出現するが、体幹にもっとも多くなります。発疹は数日から1週間で紅斑、丘疹、水疱、膿胞、痂皮形成と進みますが、新しい発疹が次々と出現するので、急性期には紅斑、丘疹、水疱、痂皮のそれぞれの段階の発疹が混在することが特徴です。また発疹は、鼻咽頭、気道、膣などの粘膜にも出現することがあります。

水痘の診断

特徴的な皮疹により診断することができます。
ウイルス学的診断には、血清学的に診断する方法とVZV を直接検出する方法とがあります。

水痘の治療

水痘の治療は、軽症の場合は特に治療を要しません。

抗ウィルス薬

抗ウィルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)を発疹が現れてから48時間以内に飲むと、発疹や発熱の症状をある程度抑え、比較的軽くすむことが多いようです。

対象療法

かゆみなどの症状を和らげるために、痒み止め、抗生物質、解熱剤など対症療法を行います。

水痘の合併症

水痘の合併症としては、湿疹の細菌性の二次感染症、中枢神経合併症、肺炎、肝炎、まれなものでは網膜炎や急性糸球体腎炎、睾丸炎、心筋炎、関節炎なども報告されています。

ママへ

水痘は比較的軽い病気ですが、感染力が強いため自宅で安静に過ごしましょう。
発疹は掻き壊してしまうと感染の危険性がありますから爪を短く切って、掻き壊さないようにしましょう。塗り薬をきちんと付け、水痘を触った手をきれいに荒い流しましょう。
お尻に水痘ができた場合には、シャワーで優しく洗い、清潔にしましょう。
口の中に水痘ができたときには、しみなくて消化のよいスープなどがお勧めです。

新生児水痘

未罹患妊婦が水痘罹患すると非妊時より重症化しやすく、妊娠後期では肺炎の合併が増し、死亡率は2~35%と報告されている。また、水痘-帯状疱疹ウイルスは経胎盤的に胎児に移行し、妊婦が水痘に罹患すると妊娠初期の感染では先天性水痘症候群を出産前後の感染では新生児水痘を発症する可能性があります。

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