赤ちゃんの便秘
なんらかの原因で便が長時間体内に停滞して水分が吸収されてかたくなり、排便がしにくい状態を便秘といいます。
一般的に、排便の回数が減少しても便のかたさが正常で排便に困難が生じなければ便秘とはいいません。
赤ちゃんは、出生時体重や体重の増加もそれぞれ異なり、母乳やミルクなど哺乳の方法や哺乳量もそれぞれ異なり成長や発達に個性がありますから赤ちゃんの排便の回数、量、便のかたさや量なども個人差があります。
赤ちゃんの中には、1日に10回近く排便をする子もいれば、2~3日に1回という子もいます。
ですから何日間排便がないと便秘という基準はありません。
3日毎にしか排便がなくても赤ちゃんの機嫌がよく、痛がるような様子もなく、スムーズに排便しれいるのであれば便秘ではありません。
しかし、1日1回排便があっていても排便のたびに激しく泣いたり、お腹が張って苦しそうであれば便秘ということになります。
便秘で便がかたくなると、かたい便のために肛門が切れたり、激しい痛みをともなったりして、排便を我慢するようになり悪循環に陥ってしまいます。
ママやパパが便秘だと思ったら早めに受診してください。
赤ちゃんの便秘のサイン
便秘で苦しくても、話すことができない赤ちゃんですからしっかりとみてあげましょう。
- 機嫌が悪い。
- 食欲がない。
- 肛門が切れたり異常がある。
- 哺乳意欲や食欲がない。
- 吐き気やおう吐がある。
- お腹が張っている。
- 活気がない
- 眠りが浅く、急におお泣きする。
赤ちゃんの便秘の原因
赤ちゃんの便秘には、排便機能の器質的障害による機能性便秘、器質的障害をともなわない機能的便秘に分けられます。
赤ちゃんの機能性便秘の原因
機能的便秘には、母乳栄養児における母乳分泌不足、哺乳欲不振、激しいおう吐などにより食物残渣量の減少は、便量の減少や排便回数の減少をまねき、便の大腸内の停滞時間が長くなると便がかたくなり便秘となります。
赤ちゃんの器質的便秘の原因
赤ちゃんの器質的便秘の原因には、神経原性疾患として二分脊椎や脊髄腫瘍があり、消化器・肛門病変として、ヒルシュスブルング病、直腸肛門奇形、先天性腸管閉塞・狭窄、肛門裂傷などがあります。そのほかに、内分泌・代謝疾患も便秘の原因となることがあります。
赤ちゃんの便秘のチェックポイント
- 排便の状況…便秘の出現時間、便秘が続いている期間。
- 排便の状況…排便の回数、排ガスの有無。
- 便の性状…便の量、便のかたさ、色、におい、出血の有無など。
- 浣腸や下剤の使用の有無・全身状態…機嫌、活気、顔色、尿量など。
- 既往症や発育状況 ・随伴症状…腹部膨満、おう吐、食欲不振、肛門周囲の異常、脱肛など。
- 生活習慣…哺時間、生活環境の変化、ストレスの有無など。
- 哺乳・食事状況…授乳回数、哺乳状態など。
- 体重の変化など。
受診した方がよい赤ちゃんの便秘
便秘赤ちゃんに以下のような症状がみられた場合は早めに受診しましょう。
- 発熱している。
- 吐き気やおう吐がある。
- 機嫌が悪く、激しく。
- 5日以上排便がなく、お腹が張っている。
- 眠りが浅く、すぐに目覚めて泣くことを繰り返す。
- 活気がなく、ぐったりしている。
- 血便、黒色の便、白色の便など便がおかしい。