妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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赤ちゃんの発熱

赤ちゃんはいろいろな症状で小児科を受診するのですが、その中で非常に多い症状のひとつが「発熱」があるのですが、これは赤ちゃんが罹る病気の中で「発熱」で始まる疾患が多いからでもあります。
また、発熱はママが赤ちゃんの身体に触れることで体温の上昇を感じることができる、体温計を使って簡単に数字で判断するできる症状でママは心配で受診するためでもあります。

赤ちゃんの発熱の原因

赤ちゃんの発熱の原因としては以下のようなものがあげられます。

新生児期の発熱

生まれてしばらくの間は母乳やミルクなどを十分に飲めないと脱水のために発熱することがあります。
また、新生児は環境の温度の影響を受けやすく、過熱により容易に熱を出すことがあります。
生後4~5か月まではママからもらった免疫があるため、体内に病原体は化学物質が侵入しても病気になることは少なく、熱もほとんど出ません。
しかし、ママが罹ったことがない病気に対しては免疫がないため、病気に罹り熱が出ます。
新生児期に発熱を症状とする疾患は、かぜ症候群、インフルエンザ、臍感染、肺炎、髄膜炎、脱水症、頭蓋内出血、核黄疸、敗血症、破傷風などがあります。

乳児期の発熱

生まれてはじめての発熱としては、突発性発疹のことが多いのですが、この他に麻疹(はしか)、風疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などがあります。
赤ちゃんの子どもの伝染病は、ママからの免疫を受け継いでいるので乳児期前半ではまれです。しかし、水痘あるいは百日咳(熱がでることはまれです)などはこの時期でもよくみられることがあります。
この他に、かぜ症候群、インフルエンザ、急性気管支炎、肺炎、溶蓮菌感染症、中耳炎、尿路感染症、川崎病、髄膜炎、敗血症、髄膜炎、関節炎、熱中症、脱水症、プール熱、ヘルパンギーナなどがあります。
生後3か月未満の乳児はママからの受動免疫があるので感染症に罹りにくいのですが、その反面いったん発熱すると敗血症、髄膜炎、尿路感染症、関節炎などの重症細菌感染症の比率が高いのも事実です。

幼児期の発熱

幼児期になると行動範囲が広がり、感染の機会が増えることもあって伝染性の病気による発熱が多くみられるようになり、もっとも多いものは、かぜ症候群です。
その他、プール熱、ヘルパンギーナ、手足口病、麻疹、風疹、りんご病、水痘、川崎病、髄膜炎、若年性関節リウマチ、白血病、悪性リンパ腫、熱中症などがあります。

発熱時の観察のポイント

一般的には37.5℃以上を発熱とみなしていますが、赤ちゃんは代謝活性が高いため体温は高めですし、また同じ月齢であっても個体差もあります。
さらに一日の内でも1℃程度の変動がみられますから注意が必要です。
赤ちゃんの身体が熱いと感じて、熱を測り37.0~37.5℃の場合、発熱かどうかを判断するためにしばらくしてもう一度体温を測りましょう。
そして、健康時の体温を参考に他の症状をも含め以下のポイントを総合的に判断していください。
全身状態の総合的な評価が重要で、ぐったりして元気がない、視線が合わない、周囲に興味を示さないなどの様子や末梢の循環不全を示す白っぽい皮膚の色、あるいは多呼吸や努力性の呼吸などは、”トキシック・アピアランス(Toxic Appearance)”とも呼ばれますが重症細菌感染症の兆候です。

発熱時において注意する他の症状

  • 全身症状…機嫌、表情、意識状態など。
  • 呼吸器症状…鼻汁、咳、嗄声(声がれ)、咽頭痛、呼吸困難、喘鳴(ゼーゼーあるいはヒューヒューという呼吸音)、胸痛など。
  • 消化器症状…吐き気、嘔吐、下痢、血便、腹痛など。
  • 皮膚症状…発疹、かゆみなど。
  • 泌尿器症状…頻尿、排尿痛など。
  • 筋肉、骨、関節症状…筋肉痛、関節痛、歩行障害、運動障害など。
  • 感覚器症状…耳痛、耳漏、難聴、結膜充血、目脂など。
  • 血液疾患…顔色不良、息切れ、鼻血、出血斑など。
  • 中枢神経症状…頭痛、けいれん、意識障害、嘔吐、麻痺など。
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