妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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18トリソミー

常染色体のうちの18番目の常染色体が1本多い、3本あるこの疾患は18トリソミー症候群、または18トリソミーとも呼ばれ、21番目の常染色体が3本ある21トリソミー症候群である通称ダウン症に次いでもっとも頻度が高い常染色体異常による先天性の疾患である。Edwardsらが発表したため、エドワード症候群ともいいます。

18トリソミーの発生頻度

頻度は文献により差があり1/8000~1/6000~1/3000といわれる。
男女比1:3と女性のほうが多いという報告もある。
生存率は極めて低く、90%が1歳未満、99%が10歳未満という報告もあれば半分が子宮内で死亡、新生児の2ヶ月の生存率は50%という文献もあります。

18トリソミーの症状

  • 妊娠中においては、胎動微弱、羊水過多、胎盤矮小、および単一臍動脈などがみられます。
  • 顕著な子宮内発育遅延を呈し、在胎週数に比して著しく出生体重が少なく、かつ身長も低い。
  • 筋緊張低下と骨格筋および皮下脂肪組織の著しい低形成を伴う。
  • 啼泣が微弱で、音に対する反応も弱い。
  • 上眼窩縁が低形成で、眼瞼裂は短小、口と顎が小さい。
  • 小頭、後頭部突出、耳介低位および変形、狭骨盤,胸骨短小がよくみられる。
  • 通常、示指の第3指および第4指への重なりを伴う手の握りが認められる。しばしば第5指遠位屈曲線の欠如がみられ、指尖部では低位弓状紋を認める。
  • 爪が低形成であり、母趾は短くしばしば背屈をみる。内反足と揺り椅子状足底がよくみられる。また重度の心疾患、特に動脈管開存と心室中隔欠損がよくみられる。
  • 肺、横隔膜、消化管、腹壁、腎臓、尿管の異常の発生率も高い。
  • 腹直筋ヘルニアおよび腹直筋離解
  • 停留精巣
  • 過剰な皮膚のひだ(特に頸部背面上)

18トリソミーの診断

出生前では超音波検査または母体血清スクリーニングの異常所見から診断が可能で、出生後では外観から疑われ、染色体検査で確定されます。

18トリソミーの治療

治療に際しては、予後の改善は見込めず、様々な症状に対する非侵襲的な対象療法、受護的なケアが中心となります。
QOL改善のために気管切開や胃ろう増設、場合によっては心疾患などに対する外科的治療が選択される場合があります。

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