妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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ダウン症候群

ヒトは22対の常染色体と2本の性を決定する染色体、合計46本の染色体をもっています。21番染色体が3本あるために起こる生まれつきの病気をダウン症候群といいます。

ダウン症候群の発生頻度

ダウン症候群の発生頻度は、生産新生児の1/600~1/1000といわれています。
多くの先進国においては出生前の胎児スクリーニングにより発見され人工流産が選択されるため出生頻度が減少しています。
日本においては、晩婚化や高齢出産の増加に加え、欧米諸国ほど胎児スクリーニングが普及していないこともあってむしろ出生頻度は増加しています。

ダウン症候群の分類

ダウン症候群の分類は以下の通りです。

トリソミー型

ダウン症候群の約95%はこの型です。親の配偶子形成期の21番染色体の不分離によるものです。80%は母由来の21番が過剰になっており、母体の年齢が高くなるほどトリソミー型の出現頻度は高くなり、20歳の母体がダウン症児を出産する頻度が約1/1600とされているのに対して、30歳では約1.8倍、40歳では約16倍に頻動が上昇します。

転座型

転座型~4%にみられます。21番染色体に切断が起こり、その断片がやはり切断を起こした他の染色体の断片と入れ代わっているものをいいます。親が転座保因者である例が50%に見られます。

モザイク型

配偶子形成期にではなく、受精後早期の体細胞分裂時の染色体不分離によるもので21トリソミーの細胞と正常細胞が混じった状態、症状は正常に近いものから典型的なものまで様々です。

ダウン症候群の症状

子宮内発育は正常で出生体重は平均的な場合が多く、つりあがった目(眼裂斜上)、低い鼻(鞍鼻)、耳介低位、短頸、舌突出、内眼角贅皮などの特異顔貌がみられます。また、手掌に猿線といわれる掌紋がみられることが多い。
新生児期は、筋緊張が低下しており、哺乳力が不良であることが多い。
心内膜床欠損などの先天性心疾患の頻度が高く、これらを合併していれば症状として心雑音、チアノーゼなどを呈します。
内臓奇形では、十二指腸閉鎖、小腸閉鎖などの頻度が高く、これらを合併すると胆汁性嘔吐や腹部膨満などの症状がみられます。
その他に、甲状腺機能低下症の合併、一過性骨髄異常の合併ををみることがあります。

ダウン症候群の診断

診断は、染色体検査で確定されます。
特異な顔貌であるため、経験のある医師や助産師、看護師などであれば外表所見から出生直後に診断することができます。

ダウン症候群の治療

染色体異常自体に対しての治療法はなく、合併症に対しての精査、予防、治療が行われます。また、発達遅延に対する療育も必要となります。

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