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新生児TSS様発疹症

新生児TSS様発疹症(NTED)は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が産生するスーパー抗原性外毒素toxic shock toxion-1(TSSー1)による生後7日以内に現れる皮膚発疹のことをいいます。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とは

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、ペニシリン耐性黄色ブドウ球菌に有効な狭域β‐ラクタム薬であるメチシリンに耐性を獲得した黄色ブドウ球菌です。
MRSAの病原性は、皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌と同等であり健常者の皮膚や口腔などに定着していても通常は無症状です。しかし、術後患者や免疫抑制状態の患者では術創感染症や敗血症、MRSA腸炎などを引き起こし、ショック症状や多臓器不全を経て死亡する場合も多く、本菌の蔓延は医療の現場で大きな障害となっています。
病院、特に外科手術後の患者や免疫不全者、長期抗菌薬投与患者などが感染することが多く、症状は突然の高熱、血圧低下、腹部膨満、下痢、意識障害、白血球減少、血小板減少、腎機能障害、肝機能障害など。その場合、腸炎、敗血症、肺炎などをおこしている可能性が高くみられます。

新生児TSS様発疹症の症状

新生児TSS様発疹症(NTED)の主症状は、正期産児の場合生後早期の発熱とそれに引き続く発疹で、発疹は全身にひろがる2~3mm程度の径の丘疹状紅斑で融合傾向がみられ、2~3日の経過で自然に消退します。この他に正期産児では高ビリルビン血症が時にみられ程度で、数日の経過で軽快することが多い。しかし、早産児では発熱例は少なく、発疹はやや長期化する傾向があり、無呼吸発作、胃内容の停滞、動脈管開存症の増悪等の症状もみられます。

新生児TSS様発疹症の診断基準

毛新生児TSS様発疹症(NTED)の診断基準は以下の通りです。

  1. 生後7日以内に出現する皮膚発疹
  2. 生後7日以内に出現する皮膚発疹
  3. 血小板減少

新生児TSS様発疹症の確定診断

新生児TSS様発疹症の確定診断には、末梢血からリンパ球を分離し、フローサイトメトリーによりスーパー抗原性外毒素に反応するVβ陽性T細胞の増幅、活性化を確認する必要がありますが日常臨床では特徴的な症状からほぼ間違いなく診断を付けることも可能です。

新生児TSS様発疹症の治療

多くは無治療で自然治癒します。
治療法として特異的なものはなく、多くの場合抗MRSA薬が投与されます。

新生児TSS様発疹症(NTED)の予後

自然治癒傾向が強いのですが、低出生体重児では血小板減少による出血傾向で重症化することがあります。

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