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先天性小腸閉鎖・狭窄症

先天性に小腸(空腸、回腸)の腸管内腔の連続性が完全に絶たれている状態が閉鎖症、内腔が狭い状態が狭窄症です。
後天性にも起こりうるが通過障害を呈することもあります。

先天性小腸閉鎖症・腸狭窄症の発生頻度

狭窄例は少なく95%以上が閉鎖症です。
発生頻度は400~5000人に1人の割合で発生するとされ、男女差はなく低出生体重児に高頻度に発生します。十二指腸閉鎖とは異なりダウン症や他の合併奇形の発生率は低いとされています。
閉鎖部位は回腸が空腸より若干頻度が高く、90%が単発性の閉塞ですが10%に多発性閉塞を認めます。

先天性小腸・狭窄症の病因

胎生期に腸捻転、内ヘルニア、腸重積などにより腸管への血流が障害され、結果として腸管の壊死、腸管の閉鎖が原因で起こるとされています。

先天性小腸閉鎖・狭窄症の症状

先天性小腸閉鎖・狭窄症の症状は、腹部膨満および黄金色の胆汁が混ざった液を嘔吐し、胎便排泄に遅延がみられることが主な症状です。
腹部膨満、胆汁性嘔吐、胎便排泄遅延が主な症状です。
上部空腸閉鎖では上腹部が、下部空腸や回腸閉鎖症では腹部全体が膨満します。
嘔吐は閉塞部位が下位であるほど遅れて出現し、ほとんどは生後24時間に出現します。
胎便の自然排出は生後24時間以内に見られることは少ないことが多いです。
胎便は灰白色もしくは淡い緑色を呈します。

先天性小腸閉鎖症・腸狭窄症の診断

羊水過多、超音波検査による出生前診断も可能です。
腹部単純X線写真により拡張した小腸ガス像が確認でき、注腸造影は結腸閉鎖症の有無を知るために行われます。

先天性小腸閉鎖症・腸狭窄症の治療

術前に、経鼻胃管による減圧を、輸液:脱水の改善、電解質の補正を十分に行い、全身状態を安定させた後に手術がおこなわれます。

先天性消化管閉鎖・狭窄症の予後

合併奇形のない成熟児の予後は良いのですが、極低出生体重児、多発閉鎖症を伴うapple peel型や腸管穿孔例の場合には予後は不良です。

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