妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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腸回転異常症

腸回転異常症(中腸軸捻転)とは、胎生期の腸管の発生過程で中腸が反時計方向に回転しながら腹腔内に固定されるのですが、その過程において異常が生じて発生する先天性の疾患です。

腸回転異常症の頻度

腸回転異常症(中腸軸捻転)の頻度は、出生5000~10000に1人でそのうち新生児発症は約半数、1年以内に75%が発症するといわれています。
男女比は2:1です。

腸回転異常症の症状

腸回転異常症(中腸軸捻転)の症状は、生まれてすぐに十二指腸閉鎖による嘔吐や上腹部の膨隆がみられ、嘔吐物は胆汁を含むため黄色をしています。
腸軸捻転が起きた場合、腸管が壊死することによる血便、発熱、ショック症状が現れ、危険な状態になります。
新生児期に胆汁を混入した嘔吐で発症することが多いとされています。

腸回転異常症の診断

腸回転異常症(中腸軸捻転)の診断には注腸造影と上部消化管造影が用いられます。また、腹部超音波検査で上腸管膜動脈の走行の異常を確認することもよく行われています。捻転が疑われた場合には緊急手術が行われます。

腸回転異常症の治療

腸回転異常自体の病態は十二指腸狭窄であるため緊急性を要しないのですが、症状に応じて消化管の減圧と水分、電解質の補正がおこなわれます。
軸捻転が疑われた場合、腹膜炎、ショックへの対応を踏まえて緊急に手術がおこなわれます。

腸回転異常症の予後

腸管壊死を免れLadd手術が行われた例の予後は良好である。広範囲腸切除により短腸症候群をきたした症例の生存率は25~80%と言われる。短腸症候群によって小腸不全に陥った場合は小腸移植の候補となり得ます。

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