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先天性食道閉鎖症

先天性食道閉鎖症は、胎児期における器官形成期である胎生4~7週頃に起こる気管と食道の分離過程の異常によって発症し、食道が途中で離断さた疾患です。

先天性食道閉鎖症の頻度

先天性食道閉鎖症の発生頻度は、発生頻度は文献によって多少の違いがありますが、3000~5000例に1例です。

先天性食道閉鎖症の病因

胎生5~7週に前腸から食道原基と呼吸器原基が分離していくのですが、この時期に何らかの理由で分離異常が起こると食道閉鎖に気管食道瘻や気管の異常を合併します。
食道と気管は発生学的に同じ時期の発生となるため食道閉鎖は多くの場合気管の奇形を伴います。

先天性食道閉鎖症の分類

食道閉鎖症には解剖学的な特徴からA~E型の5型に分かれたグロスの分類が用いられます。

  • A型:食道閉鎖のみで、食道気管瘻の合併を欠くもので11%。
  • B型:上部食道気管瘻と下部食道の無形成か盲端であるもので0.7%。
  • C型:上部食道の盲端と下部食道気管瘻のあるもので85.3%。
  • D型:上部食道気管瘻と下部食道気管瘻と、両者の間で食道無形成であるもので0.7%。
  • D型:上部食道気管瘻と下部食道気管瘻と、両者の間で食道無形成であるもので0.7%。
  • E型:食道気管瘻のみで食道閉鎖症のないもの(H字状を呈する)で1.8%。

先天性食道閉鎖症の症状

先天性食道閉鎖症の症状としては以下のようなものがみられます。

  1. 出生直後から始まる嚥下困難(泡沫状嘔吐、唾液流出)まど。
  2. 哺乳困難
  3. 唾液・ミルクの気管内流入による呼吸困難、咳、肺炎など。

先天性食道閉鎖症の診断

出生直後の胃管チューブ挿入が困難もしくは不可能、コイルアップという上の食道盲端部で折れ曲がり上に反転するを確認することができます。
グロスA型、B型の場合、気管と下部食道の交通がないため腹部X線像で胃泡が確認できません。

先天性食道閉鎖症の治療

先天性食道閉鎖症の治療は、まずは胃にチューブを入れて胃から気管への逆流をなるべく減らすために減圧をします。また食道の上下の距離が離れているときには胃のチューブで栄養して体重を増加させます。その後に食道の上下をつなぐ手術が行われます。

先天性食道閉鎖症の合併

先天性食道閉鎖症は約30%が奇形を合併し、とくに先天性心疾患15~25%、消化器疾患10~20%の合併奇形を伴います。
その他に、泌尿器奇形、脳・脊椎奇形、染色体異常: 18トリソミーや13トリソミーの合併がみられることがあります。

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